第270回定例会 一般質問(6)

【青い森鉄道について】

次に、青い森鉄道についてお伺いいたします。

青い森鉄道は、当初から赤字経営が予想されていた事業でありました。

鉄道事業許可申請ベースでは、毎年必要な指定管理料をそれぞれJR貨物約22億円、青い森鉄道株式会社 約2億円、そして県の一般会計繰り入れ分 約16億円の負担が予定されており、とても健全に運営できる状況ではありませんでした。

この問題に対して、鉄道機構の特例業務勘定の利益剰余金を活用した並行在来線への支援拡充の方針が政府によって決定され、県民の負担は、毎年10億円も減ることとなりましたが、厳しい運営環境には変わりはありません。

青い森鉄道が今後とも維持、存続されるためには、県民の負担を少しでも減らす努力と結果が必要です。

利用者の減少や昨年の東日本大震災、更に、豪雪等による予期せぬ事態が収益の低下をもたらし、多くの課題を残しました。

これらの問題を一つ一つ確実に解決し、徹底したコスト削減に努め、青い森鉄道の黒字体質を確立していかなくてはなりません。

(1)そこで、まずは、青い森鉄道の平成23年度決算についてお伺いいたします。

 ア)青い森鉄道株式会社から県に支払われる線路使用料が約1400万円となったとのことですが、当初の事業計画の使用料 約2億円と大きく乖離しました。その要因についてお伺いいたします。

イ)人件費については、当初計画 約6億円に対して、決算額が約8億円と大幅に増加していますが、その理由と今後の推移について、どのように見込んでいるのか、お伺いいたします。

ウ)平成23年度の決算では、結果的に県民負担はいくらだったのか、また、青い森鉄道の維持、存続に多額の県負担が生じていることに対しての知事の見解と今後の取組みについてお伺いいたします。

(2)        次に、青い森鉄道の利用促進についてお伺いいたします。

年々、地方鉄道の利用者は減少しており、いかに利用者を確保するかが、鉄道存続の要となります。

本年3月には、89年の歴史を持つ十和田観光電鉄が大勢の地元住民や鉄道ファンに惜しまれつつ営業運転を終了しました。どんどん地方鉄道は無くなっていっております。

青い森鉄道を維持存続させるためにも利用者収入を増やしていかなくてはなりません。

特に、通勤通学のための定期収入は、確実かつ継続的な収入となり、増収のための強化策が必要と思われます。

他の交通機関から、いかに、青い森鉄道利用に変えてもらえるか、が鍵となります。

先般、日帰りで、八戸市へ行く機会があり、青森駅から、行きは、青い森鉄道を利用し、帰りは、新幹線を利用しました。

青い森鉄道では、約1時間半、首都圏の通勤車両を髣髴とさせる中で、人情溢れる、微笑ましい雰囲気の中で過ごす事ができました。

帰りの新幹線は、八戸駅から新青森駅まであっという間の乗車でした。約30分間、落ち着いた雰囲気の車内は静まり返り、快適なひと時でした。青森駅までの連絡もスムーズで、それぞれの持ち味があり、対照的な往復の電車の旅でした。

自由の利くマイカーを含め青い森鉄道のライバルは強力です。

しかし、県民負担を減少させつつ、鉄道を維持存続させるためには、サービスの向上や、新たな価値観の創造が必要です。

そこで、質問いたします。

ア)        平成24年4月1日現在で、新青森―八戸間を新幹線で通勤している県職員数、並びに当該職員が青い森鉄道を利用した場合の1ヶ月あたりの通勤手当額及び年間の通勤手当総額についてお伺いいたします。

イ)        また、青い森鉄道株式会社では、通勤・通学客の確保に向けてどのような取組みを行っているのか、お伺いいたします。

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