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令和2年第301回定例会(2020-03-06)

1 原子力政策について
(1) 脱原発政策の推進について
(2) 核燃料サイクルの中止について
(3) 高レベル放射性廃棄物の搬出期限の法制化について
(4) 高レベル放射性廃棄物の最終処分地受入れ拒否条例について
2 青森県立高等学校教育改革推進計画について
3 県教育委員会における障害者雇用について
4 本県観光の振興について
5 県庁舎における電力契約について
6 新型コロナウイルス感染症対策等について

県民主役の県政の会 渋谷哲一です。一般質問を行わせていただきます。
まず始めに、青森県の原子力政策についてです。
青森県は、脱原発、脱核燃サイクル、そして脱高レベル放射性廃棄物最終処分場を宣言し、県民の命と未来を守るべきと考えます。
以下、その理由を述べて、三村知事の考えをお伺いいたします。

まず始めに脱原発です。
福島原発の事故以来、国民の原子力に対する見方は大きく変わりました。特に、事故以前にあった、安全神話は完全に崩壊し、原発は、過酷事故も起こり得る存在となりました。
そのような中、本県には、再稼働を目指す東通村原発、建設中の大間原発、核燃サイクル政策の中核である再処理施設や、むつ市の中間貯蔵施設等、次々と原子力関連施設が建設され日本でも有数の一大集積地となっています。

その一方で、24ページにわたる提出議案知事説明要旨の中で原子力関連の記述は僅か3行、国策に協力し、今後とも安全なくして原子力なし」との姿勢で国、事業者の責任ある対応を見極めつつ適切に対処していく、ということだけです。
明らかに、原子力関連、核燃サイクル政策は、本県の未来を作り上げるための重要な施策とはなっていません。
「攻めの農林水産業」や「Aプレミアム」の推進、国内外からの誘客推進、企業誘致、創業・起業支援など、地域において魅力あるしごとづくり、地域経済を回す仕組みづくりを進めてきたことなどを紹介し、今後、これ以上に「世界に打って出る視点」を強調していましたが、三村知事の進める「選ばれる青森」に、これらの原子力関連施設は、本当に必要なのでしょうか。
リンゴやホタテに代表される青森県。一次産業を主力産業と位置づけた本県の「攻めの農林水産業」というプロジェクトは、国策にも取り入れられているといわれております。豊かな食と文化、自然に彩られ、県民の安全安心を守り、国内外からの誘客により地域の経済を回し、雇用を創っていく。
それこそが「選ばれる青森」への挑戦ではないでしょうか。
県内の原子力施設で万が一過酷事故が起きた場合、三村知事は、どのように責任を取るつもりなのでしょうか。
県民の命と健康、未来がかかっている以上、原子力政策の是非を県民、そして県議会に問うべきです。県民を交えた議論が必要です。
福島原発事故を教訓に、すぐ行動に移したのが、ドイツです。
事故の僅か4か月後、ドイツでは、Energy Concept(エネルギーの基本政策)と脱原子力の方針を具現化する6つの法律と1つの政令(通称エネルギーパッケージ)が連邦議会で成立しました。
エネルギー基本政策に脱原発という新たな柱を加え「Energiewende(エネルギー革命)」という現在に続く政策が形成されていきました。この脱原発政策は、ドイツ国内の停止中の原子炉の即時閉鎖と稼働中の原子炉を2022年までに段階的に閉鎖するという驚くべき政策転換でした。
ドイツのエネルギー基本政策は、2010年に策定された「Energy Concept」
です。これには、地球温暖化対策のための抜本的なエネルギーシステムの改革が定められており、供給の保証、経済的なエネルギー供給、環境適合性の3つの柱からなっており、目標を温暖化ガス排出量を1990年比で2030年には、−55%、2050年には、−80~90%にすること、そして最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギー比率を、2030年に30%、2050年に50%とすることです。
現在、脱原発は順調に進められ、2022年まで、後2年で達成する予定です。
ドイツの再生可能エネルギーの歴史は、2000年の再生可能エネルギー法(EEG)と固定買取制度(FIT)が導入され、系統運用者に対して再生可能エネルギー発電設備の系統接続及び固定価格での買取が義務付けられたことで加速していき、
2019年、再生可能エネルギーが、ついにドイツ総電力消費の42.6%を占め、新記録を樹立しました。
これほどの拡大を遂げた要因の一つにシュタットベルケと呼ばれる、地方自治体の出資による電気ガス、熱、水道、交通などの公共サービスを担う、公的な事業体の役割が挙げられます。ドイツ全体で約1400程度存在し、地域資源の活用や地域の雇用の創出をする地域密着型の事業体です。このシュタットベルケが再生可能エネルギーと結びつき、地方での拡大につながりました。
青森県でも、地域エネルギーと人材を活用し、青森型シュタットベルケが有効と考えます。
勿論、この政策には多くの課題もあります。
特に、3つの課題が挙げられます。国民負担の問題、送電網の拡大、そして、石炭火力発電の問題です。
一つ目の、再生可能エネルギーにおける国民負担の問題は、再生可能エネルギーの買取が増えれば増える程、国民負担も増えていくという課題です。
確かに、ドイツの家庭の電気料金は、EU各国の中でも、一番の高さだといわれております。そしてそれを支えているのが、ドイツ国民の環境に対する意識の高さです。最近の世論調査では、国民の最大の関心事は、気候変動対策のための環境保護であり、2位の移民問題、3位の年金問題を圧倒的に引き離しての1位であることです。国民の地球環境を守っていくという決意が、再生可能エネルギーの普及を後押ししています。

2つ目の送電網の拡充の問題は、風力発電は、主にドイツ北部や電力消費地から離れた場所で行われるため、大消費地への送電が必要です。この問題を解決するための3本の幹線計画がありますが、多額のコストや住民のコンセンサスを必要とするためなかなか進んでいきません。
しかしこの問題にも、明るい兆しが見えてきました。3つの幹線送電網の拡充計画は、約7700km。そのうち1150kmしか整備されていませんでしたが、2019年、新たに、1000kmの整備が認可されました。

そして、3つ目の、地球温暖化ガスを多量に発生させる石炭火力発電所の問題です。当初、ドイツでも、原子力発電は、再生可能エネルギーへの転換のための橋渡し的役割を担う予定でした。しかし、福島の事故後直ぐ、脱原発が決められたため、石炭火力が使われました。ドイツ国内に多くの資源が賦存するため最も安価に電力を供給することができたのです。
この問題への答えは、ドイツの2019年のエネルギーレポートに示されています。
2019年、石炭火力と原子力がドイツの総発電量に占める割合は、約40%です。
その内訳は、石炭火力は、総発電量の9.4%を占め、前年比−13%、ドイツ国内に豊富にある資源で質の低い安価な石炭による発電である褐炭火は、総発電量の18.8%で前年比−22.8%、そして、原子力は、12.4%で、前年比−11.9%です。
このうち原子力発電は、2年後ゼロとなりますし、石炭火力は、1970年代から最低を記録しました。確実にこれらの電源は、その役割を終えようとしております。
その一方で、多くの課題を抱えている再生可能エネルギーは、着実に伸びてきております。
2019年、再生可能エネルギーは、総発電量に対して約40%を占め、その内訳は、次の通りです。
陸上風力は、総発電量の16.8%。
太陽光、7.7%。
バイオマス、8.3%。
海上風力、4.1%。
水力、3.1%となっています。
これからも、再生可能エネルギーを増やしていくというドイツの挑戦は続きます。そして、これらの取り組みは、全て地球温暖化防止対策のためです。
地球温暖化防止対策のため、政治が先頭に立って法律を改正し、国民とともに世界のリーダーとしての役割を果たそうとするドイツ。
日本はどうするべきなのか。
そして青森県は、日本の国策を支援するだけでよいのでしょうか。
昨年12月の第25回国連機構変動枠組み条約国会議(COP25)では、地球温暖化対策に消極的な国に贈る「化石賞」に日本とブラジルが選ばれました。
世界では、地球温暖化に歯止めがかからないとの危機感から、脱石炭の流れが決定的になっているにも関わらず、日本は、いまだにCO2を多く排出する石炭火力を推進し、発展途上国での建設に多額の公的融資を続けていることが授賞理由です。

日本の地球温暖化防止対策の戦略が、世界から問われている中、環境経営学会の後藤会長は、企業、地方自治体、若者の3社に期待を寄せており、次のように発信しております。
まず、企業の目の色は変わってきました。転機は、主要国の金融当局が設置した「気候関連財務情報開示、タスクフォース(TCFD)」が、2017年に、地球温暖化が業績や財務内容にどう影響するかを明らかにするよう迫った時だと訴えております。世界で脱炭素経営に向かう流れは強まっており、環境省の集計では、TCFDの原則に賛同する企業の数で、日本は首位となり、事業で使う電力を100%再生可能エネルギーに変える取り組み「RE100」の参加数でも世界第3位となりました。
このような状況下、日本の環境経営学会は、昨年8月、自治体や非政府組織(NGO)などに「気候非常事態宣言」で連携を促す声明を出したことにより、欧米やカナダ、オーストラリアなどで非常事態を宣言する都市が急増し、日本でも、長崎県隠岐市、神奈川県鎌倉市や長野県が宣言しました。
更に、企業の環境対策は進みます。マイクロソフトは、現在の主流となっているCO2の排出をゼロにする「カーボンニュートラル」から、排出量を純減させる「カーボンネガティブ」に取り組むと発表し、データセンターや社屋で使う電力は、全て再生可能エネルギーで賄い、敷地内の移動で使う車は、電気自動車に変え、CO2吸収の技術開発プロジェクトに投資する基金、1100憶円を創設しました。2050年までには、1995年の会社創立以降に出したCO2と同量分の削減に貢献する計画の発表を受け、マイクロソフト社の株価は、過去最高値を更新しました。背景には、企業の、環境、社会、企業統治(ESG)への対応を求める投資家の動きがあったと思われます。
特に、自動車のCO2排出量など、環境規制への対応力が投資家の銘柄選びの基準になってきております。ESGへの取り組みは、業績と並ぶ評価軸になりつつあり、その象徴として、米電気自動車メーカーの「テスラ」の時価総額は、自動車会社で2位になり、対応が遅れた企業からは、投資が遠ざかるようになってきております。

地球温暖化対策では、EUが先頭を走り、世界をけん引しています。人類が住み続けられる環境を守るため、高い目標を掲げ、達成のための努力を続けていますが、その中でも特に注目されているのが、ドイツとフランスの2つのアプローチです。
ドイツの再生可能エネルギーを考えるとき、一つの都市伝説を思い出します。
その都市伝説とは、「ドイツでは、再生可能エネルギーを積極的に導入しているが、ヨーロッパ全土が電力網で繋がっているため、足りない電力は、フランスの原発で発電した電力を輸入して賄っている。」という、少し皮肉めいたものです。多くの県民の皆様も聞いたことがあるのではないでしょうか。
さて、問題は、これが事実かどうかです。
そして結論から言いますと、事実ではありません。
ドイツのエネルギー革命をサポートするシンクタンク、アゴラエナジーベンデは、毎年ドイツのエネルギーの現状を世界に発信しており、2019年版で、電力の輸出入についても報告しております。
その報告書によりますと、ドイツは、2012年から電力輸出国を維持しており、オーストリアが電力の最大輸出国で、次いで、ルクセンブルグとオランダ。
その一方でドイツの電力の最大輸入国はスウェーデンとスイスです。
対フランスでは、輸入11.5Twh、輸出14.0Twhで、トータルで2.4Twhの輸出となっている。報告書の数値が示しているように、ドイツは電力輸出国であり、決してフランスの原発に頼っているという事実はないのです。

では、そのもう一つの国、フランスのエネルギー政策はどのようになっているのでしょうか。
国の政策として原子力を積極的に推進してきたフランスでさえ、今後、電源の多様化を推進するため、原発の比率を現在の70%以上あるものを、50%まで削減しようとしています。
2019.11.12のJETROビジネス短信によりますと、
フランス北西部のフラマンビル原子力発電所に建設中の新型原子力発電所(欧州加圧水型炉)EPRの稼働が当初の計画から10年以上遅れている問題で、原因究明と改善策に関わる報告書が昨年10月28日、フランス電力(EDF)と同社の筆頭株主であるフランス政府に提出された。その内容は、2012年6月の運転開始に向け、2007年12月に着工した、欧州加圧水型炉は、原子力圧力容器に関わる鋼材の組成以上や配管溶接部の欠陥など、複数の問題が見つかったことから建設が遅れ、2019年の10月の計画では、運転開始に向けた燃料装填が2022年末、運転開始は、2023年以降になる見通し。これに伴い、建設総額も33億ユーロから124憶ユーロに膨らむ。

この報告書では、遅延とコスト増大の主な原因として、セキュリティーや資材の品質などに関わる詳細な事前調査が不足していたこと、複数の企業が混在する現場を統括し、監督する権限を持ったプロジェクトマネージャーやプロジェクトチームの設置が遅れたこと、原発圧力容器の品質、耐久性、溶接プロセスなどに関わる規制強化で新たな対策や修理を迫られたことなどを挙げています。
フラマンビル原発の着工以前、フランスでの新規原発着工は、1991年のシボー原発2号機を最後に16年間なく、その間に、フランス電力のプロジェクトマネッジメント能力や部品メーカーの製造能力が低下し、特に溶接の技術や人材を喪失したと、指摘した。

また、自然エネルギー財団によると、フラマンビル原子力発電所の発電コストは、15.6円/kwhとなり、風力、太陽光の約2倍の水準。
EDFは、現在58基の原発、設備容量は、合計で6300万kwに達している。2017年6月30日現在で、310憶ユーロ(約4兆円)もある負債を減らすため、今後は、新設よりも数多く残っている古い原発の運転期間を40年以上に延長する方針。全58基の内2017年11月15日時点で、8割の原発が30年以上経過していて、そのうち半分は35年以上経過している。
ただし、運転延長では、次に掲げる経済面、技術面、安全面の課題が残ります。
① 改修プログラム「Grand Carenage」のコスト試算では、2025年までに合計480憶ユーロ(約6.2兆円)の費用が必要となる。
② 風力と太陽光とを組み合わせて使う必要から、出力の柔軟性が求められるため、設備利用率が低下し、出力を上げ下げすることで設備の消耗が進み、運転維持費が増大する。
③ 2015年エネルギー転換法(French Energy Transition for Green Growth Law)では、原子力発電の比率を、2030年から2035年にかけて50%まで低下させる目標が設定されました。
2019年1月に発表された「エネルギー多年度計画2028年までの中期目標を規定、その草案では、2028年までに陸上風力3140万~3560万kw、太陽光3560万~4450万kwを導入する目標が示されました。
そして、今年1月、フランス政府は、本来の耐用年数だとされる40年に近づいている、または、超えている原子炉12基を、2035年までに廃炉とする方針を確認した。
原子力発電は、もはや、斜陽産業であり、世界の潮流は、風力や太陽光といった再生可能エネルギーにシフトしているのです。
青森県の未来を見据え、脱原発、脱核燃サイクル、そして、脱最終処分場を決断する時ではないでしょうか。

三村知事にお伺いいたします。
世界は、再生可能エネルギーへと大きく舵を切っております。
青森県は、エネルギー政策の方向転換を図り、脱原発政策を進めていくべきと考えます。三村知事の考えをお伺いいたします。

次に、脱核燃サイクルです。
核燃サイクル政策の中心は、「高速増殖炉もんじゅ」でした。しかし、その「もんじゅ」は、1兆円以上の国民の税金を使っていながら当初の目的を果たすことなく、廃炉となり、文字通り「夢」となりました。
もう一つの柱である再処理工場は、2007年に技術的トラブルの発生から、既に13年が経過したものの、今もって運用開始に至っていません。
使用済みMOX燃料は、新設する「第2処理工場」で扱うとされてきましたが、福島原発事故後は、白紙の状態。
2019年フランスと共同で進めていた高速実証炉「アストリッド」については、2020年度予算要求に盛り込まず、打ち切られました。
核燃サイクル政策は、実質破綻しています。
しかも、高速増殖炉計画が廃止となった今、使用済み燃料の再処理は、使う当てのないプルトニウムを増やすだけです。
以上のことから、青森県は、核燃サイクル政策をやめるべきと考えますが、三村知事の見解をお伺いいたします。

次に、高レベル放射性廃棄物の最終処分地受け入れ拒否条例についてです。
六ケ所村核燃サイクル施設では、海外から返還される高レベルガラス固化体が一時貯蔵され、再処理工場では、ガラスか固体やTRU廃棄物などの高レベル廃棄物が作り出されています。
今後、東通原発が再稼働、大間原発が操業すると大量の使用済み燃料がたまっていきます。更に、むつ市のリサイクル燃料貯蔵施設には、大量の使用済み燃料が中間貯蔵され、青森県は、膨大な放射性廃棄物の一大集積地となります。
ところが高レベル廃棄物や、使用済み燃料の最終処分方法については、国における最終処分地の選定及び必要とする安全規制の整備は遅れ、その目途すら立っていないのが現状です。
六ケ所の高レベル廃棄物の一時貯蔵施設における期限である2025年及び2045年までに、あと5年及び25年と迫っているにも関わらず、ガラス固化体搬出の目途どころか、再処理工場内の高レベル廃棄物については、保管期間の定めすらありません。
このような状況のもと、県民には、「このままでは、青森県がなし崩し的に最終処分地になるのではないか。」との疑念と不安が高まっています。
福島原発事故以来、原発の廃炉が続出し、それに伴い、発生する大量の放射性廃棄物の処分が進まないため、放射性廃棄物拒否の声が全国に広まっており、県民の不安は高まるばかりです。
世界自然遺産に登録されている知床半島が位置する北海道は「特定放射性廃棄物受け入れ拒否条例。
鹿児島県の旧屋久町と旧上屋久町は「放射性物質持ち込み拒否条例」を制定しました。
和歌山県白浜町議会は、町内への核のゴミ持ち込みや、貯蔵、処分施設の建設を認めない項目を盛り込んだ「核物質持ち込み拒否条例」を制定し、年間約300万人が訪れる世界遺産「熊野参詣道大遍路」など観光立町の環境を守り続けることを宣言しています。
私たちの住む青森県は、豊かで美しい自然に恵まれ「北のまほろば」と言われ、縄文時代から先人のたくましい努力によって、自然と調和した「青い森」の文化と歴史を作り上げ、今や、世界自然遺産「白神山地」を擁し、2021年度の「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録を青森県は目指しています。
高レベル放射性廃棄物を作り出す再処理工場や原発などの操業、稼働により、これ以上負の遺産を増やさず、青森県を高レベル放射性廃棄物の最終処分地にしないと県民の総意で、国内外に宣言し、よって県民の命と健康、並びに財産を守り青森県の自然と環境を保全することを目的として
「青森県を高レベル放射性廃棄物最終処分地としない条例」を制定すべきと考えます。三村知事の見解をお伺いいたします。

次に、高レベル放射性廃棄物の搬出期限の法制化についてです。
福島県では、高レベル放射性廃棄物の搬出期限について、国の法律に明確に記述させています。
中間貯蔵、環境安全事業株式会社法
(国の責務)第3条で、次のように明記しております。
国は、中間貯蔵、及びポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理の確実、かつ適正な実施の確保を図るため、万全の措置を講ずるものとする。
2項 国は前項の措置として、特に中間貯蔵を行うために必要な施設を整備し、及び、その安全を確保するとともに、当該施設の周辺地域の住民、その他の関係者の理解を得るために必要な措置を講ずるほか、中間貯蔵開始後30年以内に福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずるものとする。
経済産業大臣が変わるたびに本県を最終処分地にしない等の確認をしておりますが、私たちは、それを信じてよいのでしょうか。
県民も疑念を抱き、不安を感じています。
人が変われば政策も解釈も変わります。法律の解釈さえ簡単に変えられる時代です。口約束ではなく、少なくとも国の法律に明記してもらうべきです。
高レベル放射性廃棄物の搬出期限について、法律に明記するよう国に求めるべきと考えますが、三村知事の考えをお伺いいたします。

次に、青森県高等学校教育改革推進計画についてお伺いいたします。
第1期実施計画が、H29年7月に決定し、H30年度から、県内の高校の再編が進められました。
その結果は次の通りです。
青森東高校平内校舎、大湊高校の川内校舎、五戸高校は閉校。
金木高校、板柳高校、鶴田高校、五所川原工業は統合して、西北地区統合校に。
黒石商業高校と黒石高校は統合して、中南地区統合校に。
六戸高校、十和田西高校、三本木農業高校は統合して、上北地区統合校に。
高等学校教育改革推進計画とは銘打っていますが、実際は、県内の郡部からの県立高校の廃校に他ならないのです。

これらの決定までに、県内各地から自治体を中心に、地元高校を残したいという切実な訴えが県に寄せられました。
黒石市議会からは、計画の再考と決定の延期を求める意見書が出され3つの指摘がなされました。
① 4月に5年後の計画案が発表され、その3か月後に決定することは余りにも早急すぎる。
② 存続する学校が都市部に集中しており、オール青森での検討とは言えない。
③ 地域の子供たちの将来を考えると、もっと地方議会や地域住民の意見を聞き、それを踏まえた上で、今後の方向を決めること。
このような訴えは、県立高校が閉校となる各自治体から続出しました。
六戸町からは、県教委が生徒数の減少を再編の理由に挙げているのに、六戸高校より生徒数が少ない高校を存続させ、六戸高校を閉校させる方針に強い不満が表明されました。
板柳町では、今後のまちづくりや地域の活性化に大きな影響がある、との声。
鶴田町からは「意見交換会で出た意見が反映されていない」。
金木高校を応援する会の発起人の一人は、「原案から変わるのではないかという気持ちでいたので、とにかく悔しい、残念だ。提出した1万317人分の署名の扱いからも地域の思いが全く届いていないように思う」。
五戸町では、町立高校に変えても、町に高校を残したいと、町独自に生き残りの道を模索しましたが、重い財政負担という厳しい現実に、ついに存続を断念しました。
これらの地域の想いは、第1期実施計画ではどの様に活かされたのか、疑問が募るばかりです。
そして、いよいよ令和2年度中に、第2期実施計画が策定されます。
今のまま、第2期実施計画が策定されていけば、県内の町村から高校が無くなります。地域から県立高校が無くなれば、地域の未来を奪うことになります。
私は、第2期実施計画は、視点を変えて策定すべきと考えます。
それは、「どのように地域に高校を残していくのか!」という視点です。
そして、その答えは、「地域の高校の魅力化」に他ならないと考えます。
そこで、全国で注目を集めている島根県立 隠岐島前高校の隠岐島前教育魅力化プロジェクトを紹介いたします。
島前地域における教育の魅力化とは、次のように定義されています。
生徒・児童が行きたい(通いたい)、保護者が行かせたい(通わせた)、教職員が行きたい(赴任したい)、地域住民が活かしたいと思う魅力ある学校づくり、教育の場づくりを意味しています。
高校は単なる教育機関ではなく、地域の未来を担っていると得島前高校の魅力化プロジェクトは訴えております。
そして、この取り組みは、全国で広まっている「地域みらい留学」に受け継がれています。
高校を地域の未来と位置づけ、第2期実施計画では、高校と地域の魅力化の視点に立った策定を行い、地元の自治体と高校の生徒や教職員、県教育委員会が力を合わせ、特色ある、魅力ある高校に変え、県内外、国内外からの子どもたちに選ばれる高校を目指すべきです。
そしてそれこそ三村知事が掲げる「選ばれる青森」への挑戦の礎となるのではないでしょうか。

そこで質問いたします。
⑴ 第2期実施計画の策定に向け、第1期計画について検証すべきと考えるが、県教育委員会の見解をお伺いいたします。
⑵ 第2期実施計画の策定に当たっては、地域の意見や思いを反映させるべきと考えますが、県教育委員気合ではどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
⑶ 県立高等学校に県外の生徒も志願できるように取り組むべきと考えますが県教育委員会の見解をお伺いいたします。
⑷ 三村知事は、総合教育会議の場で第1期実施計画に向けた基本的な方向性について理解を示しているが、計画期間内に高等学校の統廃合が劇的に進んでいることに対して見解をお伺いいたします。これが、三村知事の望んだ結果なのでしょうか。

次に、青森県教育委員会における障がい者雇用についてお伺いいたします。
中央官庁の障がい者法定雇用率の水増し問題が発覚して以来、全国の地方自治体の法定雇用率が改めてクローズアップされました。特に、都道府県教育委員会は、法定雇用率の算出基準が教職員を含んでおり、目標達成は難しいとされてきました。昨年の実績でも全国46都道府県の内、法定雇用率を達成しているのは僅か5県で、青森県は法定雇用率を満たしていませんでした。この問題の解決策を求め、昨年末、障がい者法定雇用率を既に達成しているか、達成に近づいている鹿児島県、山口県、そして、島根県の教育委員会を訪ね、調査して参りました。

鹿児島県教育委員会は、法定雇用率を上回っています。全ての県立高校に非常勤の校務補助員2名を配置し、一人は、障がい者で、もう一人がサポート役となり、二人一組で学校の様々な仕事を手伝っています。現在、各県立高校に計58名の障がい者が雇用されています。
山口県では、知事部局では、既に法定雇用率を達成していたため、山口県庁内に「きらめきワークセンター」を設置、県教委のもとに、8名の障がい者とそれをサポートする2名の職員とともに、計10名で県庁内の事務補助を行う、就労支援事業が行われています。
特に、鹿児島県は、H23年当時、雇用率は、1.43と青森県と同じ水準でした。国から指摘を受けた鹿児島県教育委員会は、法定雇用率を上げていくためのプロジェクトチームを立ち上げ、基本計画を策定し、着実に障がい者雇用を増やし、4年目で法定雇用率を達成しました。
目標を達成した現在でも、国の法定雇用率が2.3、2.4、そしてこれから2.5%と上がってきているため、常に危機感を持って、継続して達成できるよう、取り組んでいます。

質問いたします。
⑴青森県教育委員会の障がい者雇用率についてお伺いいたします。
⑵障がい者雇用率の改善に向けた県教育委員会の令和2年度の具体的な取り組みをお伺いいたします。
⑶法定雇用率達成に向け、令和3年度以降も計画的に取り組むべきと考えますが、具体的な達成計画を伺います。

次に県庁舎における電力契約についてです。
私は、昨年の6月議会で、青森県の公共施設における電力契約についての質問をいたしました。電力の自由化が国策として進められている中、青森県の施策が具体的にどのように進められていくのかお伺いいたします。
まず始めに、
⑴ 県の施設に係る電力契約の一元化や入札についてお伺いいたします。
⑵ 電力契約の一元化等に係る他県の実施状況についてお伺いいたします。

次に、新型コロナウイルス対策についてです。</font>
青森県は、これから数多くの課題を迅速に解決していかなくてはなりません。
新型コロナウイルスの感染拡大防止対策
県内で初めての感染者が確認された時の対応、
既に始まっている小中高等学校や特別支援学校の一斉休業による影響への対応、
更に、自粛ムードの中、深刻な影響を受けている事業者への対応など問題は山積しております。
2月17日には、三村知事を本部長とする新型コロナウイルス感染症に係わる危機対策本部が設置され、2月28日には、危機対策本部会議が開かれ各部局から現状の報告と対策が示されました。
その後の知事のメッセージにより、県立高校において3月3日から春休みまでの間、一斉臨時休業の措置が発表されました。
新型コロナウイルスの感染対策はこれから本格化していきます。

⑴ 危機管理対策本部では、現状をどのように把握し、その対応についてお伺いいたします。
⑵ 特に、県内の自粛ムードが政府の呼びかけによって加速されましたが、緊急的経済支援の検討が必要と考えますが、県の対応をお伺いいたします。

次に、本県の観光の振興についてお伺いいたします。
新型コロナウイルスは、本県の観光産業に大打撃を与えています。これから、青森県として、具体的にどのように支えていくのかを考えていかなくてはなりません。
その一方で、インバウンド対策は、中長期的視点で取り組んでいくべき課題であり、成果を上げていくためには、しっかりとした成長の種を植えていく事が必要です。
昨年末、福島県で北海道東北6県の議員研修会に参加してまいりました。その中で、各道県のインバウンド対策の状況や今後の展開などの報告があり、ブランドとして確立している北海道と東北6県が協力していく必要性が確認されました。

青森県も中国、韓国からの定期便がありましたが、その路線を維持する難しさは、新型コロナウイルス以前でも政治的、経済的理由で感じておりました。
感染が収まったからと言ってすぐに、これらの国々からのインバウンドが直ぐに回復するとは考えられません。コロナショック後の対策が今から必要です。
私は、インバウンド対策では、特定の地域に偏らない、いわゆるリスク分散と、青森県にわざわざ訪れてみたくなるコンテンツのブラッシュアップ、いわゆる魅力づくりが重要と考えます。
そこでお伺いいたします。
近年、東北各県でタイ及びベトナムからの観光が伸びる兆しが見けられます。
⑴ タイ及びベトナムからのインバウンド誘致について、県はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
⑵ 地域が持つ様々な魅力を活かした観光地づくりが必要と考えますが、県の取り組みについてお伺いいたします。
⑶ インバウンドが本県経済を潤していく事目指しております。観光で経済を回すための取り組みが重要と考えますが、県の取り組みをお伺いいたします。

議員派遣結果報告書(2020-01-08)のつづき

仮に、魅力化が達成できず、島前高校が廃校となった場合の地域未来予想図が描かれています。

なりゆきの未来


本土行の最後のフェリーが動き出した。
この島と一緒に死ぬといってきかない老人だけが島に残った。 
錆の浮いた港湾施設が遠ざかる。岸壁に書かれた「ござらっしゃい」の文字がむなしく波に洗われている。永訣を告げる最後の汽笛が、湾内に響き渡った。丘の上には、ボロボロになった旧島前高校の校舎が、悲しそうに佇んでいた。
この島前地域に襲い掛かってきた、過疎、少子高齢化に伴う地域の衰退、そして高校の存続の危機、かつてこの状況に抗い、立ち向かった人々もいた。
地域と協働した特色ある授業、公立塾の設置、島外からの生徒募集など、多くの抵抗や困難がある中で打てる手は打った。高校魅力化にむけた様々な取り組みは一時的に脚光を浴び、高校は復活したかのように見えた。しかし、永くは続かなかった。
生徒増と学級増により「危機が去った」と安心したことで、高校魅力化に向けた地域の情熱は消えていった。頑張っていた教職員や関係者も移動や退職などで移り変わっていき、勢いは失われていった。島外から入ってくる生徒は次第に減り島前3町村の中学生の数の減少と相まって、20XX年秋、島根県は島前高校の学級減を発表。これにより島前高校の命運は尽きた。魅力化の流れは完全に終わり、衰退化に向けた逆行が一気に始まった。学級数が2学級から1学級に減っていく事で、教職員数は段階的に減り、難関大学への進学は困難となり、ヒトツナギ、軟式野球、バスケ、バレー、レスリングなどの部活動の休部も続き、島前高校への志願者は更に拍車をかけて減っていった。重なる赤字により公立塾や寮も閉鎖、為す術もないまま島前高校は隠岐高校の分校となり、その数年後廃校が決まった。
島前高校が廃校になった後、島前地域の子供連れのUターンは途絶え、逆に子供のいる家族世帯の島外流出に歯止めがかからなくなっていった。知夫村では、子どもが生まれない年が何年も続き小中学校は休校になり、高齢化率は70%を超えていった。海士町は若いUIターン者の流出が続き、2校あった小学校は、統廃合され、第3セクターも潰れていった。西ノ島町では、漁業や畜産業の担い手が途絶え、子どもや若者の減少により精霊船(シャーラ船)も十方拝礼(しゅうはいら)も消えていった。赤字が続いた隠岐汽船は寄港地の集約化とダイヤの効率化を図り、隠岐で一港、1日1便、フェリー1隻体制に移行していった。
これにより島前の観光業はさらに衰退していった。こうした状況において、島前に住みたいという医者はいなくなり、島後や本土から医者が定期的に通ってくる体制に変わり、住民の医療に対する不安は高まるようになった。3町村ともに財政状況が悪化し行き詰っていった結果、隠岐の島町との合併を決断。編入合併後、住民への福祉や医療、行政サービスは低下し、人口の流出は一層激しくなった。「最後まで島に残りたい」と言っていた高齢者たちも診療所や商店も閉まり、廃墟と化した集落の中で話し相手もいなくなっていく中、島に残ることさえ厳しくなっていった。そして、ついに数人だけを残して苦渋の集団離島が始まった。
こうして、数千年つづいてきたこの島前の歴史と文化は、22世紀を迎えることなく幕を下ろすことになった。その後、島前近海では外国漁船の違法操業が繰り返されるようになり、荒れ果てた集落には不審な人影が見えるようになったという。
多くの過疎地域と高校に希望を与えていた島前高校の失墜により、全国の高校の統廃合は一気に加速。ほとんどの過疎地域から高校が消え、子どもや若者が消え、希望や活力が消え、国土の大半を占める地方は疲弊し、日本の少子高齢化と人口減少は加速度的に進んでいった。

これは一つの未来。
手綱を緩めるとまっしぐらに向かっていくであろう未来の姿である。
このなりゆきの未来を回避し、意志ある未来をたぐり寄せる為にも、魅力化プロジェクトは更なるビジョンを掲げ、取り組みを継続していく必要がある。と締めくくっています。

議員派遣結果報告書(2020-01-08)

令和2年1月8日

青森県議会議長 殿

青森県議会議員 渋谷 哲一

議員派遣結果報告書

下記のとおり議員派遣を終了しましたので、その結果を報告します。

1. 派遣目的
(1) 鹿児島県、山口県 及び島根県教育委員会における障がい者雇用の現状と対応策についての調査
現在、青森県教育委員会では、障がい者法定雇用率は、1.54%となっており、国が定める2.4%を達成していない状況が長年続いており、解消にむけた計画すら描けていない状況です。他県の事例を参考に、本県教育委員会が、障がい者法定雇用率2.4%を達成するためのプランを探るために、3県の教育委員会を調査いたします。
① 鹿児島県教育委員会の障がい者法定雇用率は2.47%となっており、国が定める2.4%を上回っております。
(算定の基礎となる職員数は、11,458.5人と、青森県の9,228.5人を上回っています)
② 山口県教育委員会の障がい者法定雇用率は2.35%となっており、国が定める2.4%を、僅かに下回っております。
(算定の基礎となる職員数は、8,081.0人)
③ 島根県教育委員会の障がい者法定雇用率は2.48%となっており、国が定める2.4%を上回っております。
(算定の基礎となる職員数は、5,727.0人)
(2) 島根県立島前高校における特色ある学校運営基本方針と運営状況を確認し、県教育委員会と当該高校との関わり方や連携の実態などの調査
島根県立島前高校は、離島にある県立高校でありながら、生徒数のV字回復を果たし、今なお増加させている、全国でも稀な学校です。当該高校の運営方法と教育委員会の対応と方針を調査し、生徒数が減少し続けている青森県立高校の統廃合の今後の在り方を再考する参考としたい。


2. 派遣場所
(1) 鹿児島県庁
〒890-8577 鹿児島県鹿児島市鴨池新町10番1号
(2) 山口県庁
〒753-8501 山口県山口市滝町1番1号
(3) 島根県庁
〒690-8501 島根県松江市殿町1番地

3. 派遣期間(日程表添付)
令和元年12月16日(月) ~ 12月18日(水)

派遣結果報告

1. 派遣目的、派遣場所は議員派遣結果報告書のとおり調査場所、日時、内容、成果について
⑴ 鹿児島県庁 鹿児島県教育委員会
① 日時 令和元年12月16日(月) 15:00~16:00

② 内容
㋐鹿児島県内の公立学校数、生徒数及び教員数
小学校   502校、児童生徒数 89,169人、本務教員数 7,209人
中学校   214校、      42,417人、      3,859人
義務教育学校 3校、       641人、        75人
高等学校   68校、     31,442人、      2,916人
特別支援学校 16校、      2,313人、      1,247人
合計  803校、児童生徒数165,982人、本務教員数  15,306人

㋑鹿児島県教育委員会の障がい者雇用率の推移(法定雇用率)
H22 1.50%(2.00) H27 2.22%(2.20)
H23 1.45%(2.00) H28 2.26%(2.20)
H24 1.61%(2.00) H29 2.28%(2.20)
H25 1.88%(2.20) H30 2.47%(2.40)
H26 2.10%(2.20)

㋒障がい種別の雇用数及び雇用形態
主に身体障がい者

㋓障がい者雇用促進のための取り組み
平成23年度
a.障がい者特別選考の申請要件を改め、県外共住者への受験資格を拡大
b. 障がい者特別選考採用職種の拡大。教諭、養護教諭、栄養教諭、実習助手
c.障がい者雇用促進プロジェクトチーム(PT)を教職員課から教育委員会全体への拡大設置
d.障がい者である教職員の状況調査の改善
現職教職員の障がい者のより正確な状況把握のため、H25年度からは、障がいのある教職員が申告しやすい環境にするために、原則として全教職員から申告書を受領することとした。

平成24年度
a. 教員等選考試験の障がい者特別選考の見直し
1次試験の教職教養(教諭、養護教諭、栄養教諭)または、一般教養(実習助手)の試験を免除
b. 県立高校に校務補助員を配置
県立高校の一般用務員に代えて、非常勤の校務補助員2人を配置し、うち1人を障がい者とした。(H24年度は、10校で10人障がい者を雇用)
H25: 37校37人
H26: 47校47人
H27: 51校51人
H28: 56校56人
H29: 56校56人
H30: 58校58人
R1:  58校58人

令和元年度
a. 障がい者を対象とした県職員採用選考試験の受験資格等の見直し
従来は身体障がい者に限っていた受験対象者に知的、及び精神障がい者を追加
「自力により通勤ができ、かつ介護者なしに職務の遂行が可能な者」及び「県内に居住する者」という要件を撤廃

㋔過去5年間の採用状況
正規職員 教育職員:  2名
正規職員 事務職員:   5名
非常勤職員 校務補助員: 58名

㋕校務補助員の雇用の状況
ハローワークへ求人票を提出
・業務内容は、電話・窓口対応、県境整備、文書受付・配布業務、事務補助
・年次的に県立高等学校の用務員に代えて校務補助員を1校に2人配置し、うち1人は障がい者を雇用
・1年間の非常勤職員、20日/月、6時間30分/日勤務、日額支給
・配置先は県立高校
・過去5年間の採用者数 58人

③ 成果
青森県教育委員会も長年にわたり、法定雇用率を順守することができず、現在では、法定雇用率を守るための計画すら示されていない状況です。1、2年で急に順守できるとは考えていませんが、道程を県民に示す必要があります。
そこで、鹿児島県教育委員会の取り組みを参考に、青森県の現状にあった年次計画を、策定すベく、次の提案をいたします。
1. 青森県教育委員会に障がい者雇用の特別プロジェクトチーム(PT)を作る
2. PTによる「青森県教育委員会障がい者雇用5年計画」を策定
3. 青森県知事部局への協力要請
4. 特に、県立高校への非常勤職員、校務補助員の配置を検討する


⑵ 山口県庁 山口県教育委員会
① 日時 令和元年12月17日(火) 13:00~14:00

② 内容
㋐障がい者雇用の経緯
H29: 法定雇用率2.21% (教員等1.40%、職員7.21%)
H30:      2.35% (教員等1.47%、職員7.45%)
R1 :      2.13% (教員等1.33%、職員7.32%)

㋑障がい者数
129名(重度換算後 188名) (正規職員113名、 正規職員以外16名)
㋒障がい区分
主に身体障がい者
㋓今後に向けた具体的取り組み
・県立高校の非常勤職員枠の不足分を解消((教員等1.4%、職員7.21%)現在、12校中8校で雇用)
・事務局の非常勤枠の不足分の解消(現在、8名の枠に対して7名雇用)
・県立高校非常勤枠の拡大や障がい者手帳所持者の申請増加
県立高校非常勤枠(既存の枠を埋める) 4名
きらめきワークセンター(既存の枠を埋める)1名
県立学校事務(正規採用) 1名
小・中学校事務(正規採用) 1名
新規の県立高校非常勤枠拡大(R1調査で10名程度新規申請) 16名

㋔今後の障がい者雇用計画案R2
雇用算定基礎職員数 : 8,685名
障がい者数 : 208名
障がい者雇用率 : 2.40%
㋕きらめきワークセンター

・県における障がい者雇用を推進するため、教育庁教育政策課内(山口県庁13階)にきらめきワークセンターを設置(H23年4月1日~)
・山口県では、山口県内の障がい者の雇用の促進を図るため、知的障がい者、精神障がい者及び発達障がい者を対象とした非常勤職員を募集し、きらめきワークセンターで支援職員の支援のもと、業務に従事してもらう
・職員 7名 支援職員 2名
月17日勤務 8時30分から17時15分までの勤務で、月給制
任用期間は1年間
・仕事の内容(事務補助)
文書の分別、シュレッダー、書類の発送準備、リーフレットの修正
文書の集配(てい送業務)
データ入力、会場準備・受付
・受験資格
・過去3年間にきらめきワークセンターで任用された経験のない者
・きらめきワークセンターで任用終了後も、民間企業等での就労を目指し、継続して働く意欲のある者

③ 成果
山口県で特筆すべきは、きらめきワークセンターでの知的、精神、及び発達障がい者雇用の仕組みを県全体で考え、支えている点です。支援職員2名が8名の障がい者の仕事を支え、継続して働く意欲を醸成する環境を作っています。その中でも、業務の切り出しが最大の課題です。継続して障がい者に働いてもらうためにも安定的な継続した業務内容が必要です。山口県知事部局の全面的な協力により、この問題を解決しています。
青森県も知事部局と一緒に県教育委員会の障がい者雇用問題を解決することが必要です。山口県のきらめきワークセンターを参考に、青森県庁内にも障がい者ワークセンターを、県教育委員会のもとに設置すべきです。
⑶ 島根県庁 島根県教育委員会 総務課 人事法令グループ
① 日時 令和元年12月18日(水) 10:00~11:00

② 内容
㋐障がい者雇用の推移
H29 : 実雇用率  2.28(2.20%) 算定基礎職員数 5、758人
H30: 2.48(2.40%) 5、727人
R1: 2.52(2.40%) 5、730.5人
㋑障がい者の雇用の状況
正規職員 76名(教育職員 63名、 事務職員 13名)
嘱託職員 30名(教育委員会事務局 6名、 特別支援学校 24名)
㋒法定雇用率達成に向けた取り組み:障がい者枠の応募要件の見直し
教員・実習助手の採用試験から次の2要件を撤廃
自力通勤可能な方
介助者なしで教員として職務の遂行が可能な方

・小中学校の事務職員
点字による受験を可とした
㋓障がい者就業支援事業
・事業の3つの目的: 障がい者の一般就労の推進、
教育委員会におけるる障がい者雇用の推進、
学校現場における多忙感の解消
各特別支援学校の非常勤嘱託職員として雇用し、会社に近い形で勤務しながら、職業能力、職業意識、そして、対人技能等を身につける場を提供する。
・教育庁総務課、特別支援学校等にワークセンターを設置し、障がい者を採用
・人員配置: 「障がい者3名 + 支援に当たる嘱託職員1名
・配置所属;16所属 教育庁総務課
教育事務所(1事務所)
埋蔵文化財調査センター
図書館
特別支援学校(全12校)

・勤務体制
原則130時間勤務
遅刻、早退等、勤務を指定していた日に出勤できない場合は、欠勤処理
・支援員の仕事内容
業務の洗い出し・計画・調整
仕事の支援
ステップアップに向けた連携

・ 障がい者就業支援事業による雇用期間後の就業先
 H26以降、特別支援学校で採用した者のうち、3年間の期間満了又は途中退職者が48名
 うち、退職後、一般就労したものが約4割、福祉就労した者が約1割

③ 成果
島根県教育委員会での障がい者雇用では、特に非常勤嘱託職員を各特別支援学校に配置するという取り組みが行われている。青森県でも同じような取り組みが行われているが、今後、この仕組みを拡大していくべきです。採用の仕方など、柔軟な見直しが必要ですが、更なる採用のポテンシャルが考えられます。青森県の地域性を考えながら、採用拡大を目指していきます。

⑷ 島根県庁 島根県教育委員会 教育指導課
① 日時 令和元年12月18日(水) 11:00~12:00

② 内容
㋐現在、生徒数減少のため全国のそして青森県内の公立高校で統廃合が進められております。その中で、島根県立島前高校が離島の公立高校として廃校寸前であったにもかかわらず、生徒数のV字回復を果たし、全国から注目を集めております。今回、島前高校の取り組みの背景に、鳥取県教育委員会がどのように関わり、どのような支援を行ってきたのか調査してきました。

㋑ 県外生徒募集
⑴ H14.4.26 島根県教育課程審議会の答申「島根県立高等学校入学者選別方法の改善について」県外からの受験生については、県内出願者に影響がない限り、認めるべきである。
⑵ H15年度入試から
離島・中山間地域「横田、島根中央、矢上、津和野、隠岐島前、隠岐」+ 水産高校「浜田水、隠岐水」の8校で積極的な県外募集に取り組んだ・
⑶ H24年度入試から上記8校に関して、身元引受人による県外生の「4名制限」を撤廃し、各校で県外生徒数の上限を定めることとした。
⑷ H25年度入試から「飯南」を加え、H27年度から「吉賀」を加え、各校で県外生徒数の上限を定めるとした高校が10校となった。
⑸ H28年度入試から、原則として身元引受人による県外からの受け入れ制限4名を撤廃。
ただし、松江市内、出雲市内の高校、県西部の地域外入学制限がある高校、並びに分校、定時制高校は、この制限4名を維持。
このことにより、「安来、情報科学、大東、三刀屋、邇摩、江津、江津工業、浜田商業、益田翔陽」の9校が加わり、各校で県外生徒数の上限を定めるとした高校が19校となった。
⑹ 令和2年度から県西部の地域外入学制限の撤廃に伴い、「大田、浜田、益田」が県外からの受け入れ制限4名の対象校から除外され、恰好で県外生徒数の上限を定めるとした高校が22校となる。
⑺ 県による県外の生徒への経済的支援はしていない。地元自治体による寮費補助、帰省時の旅費補助など。

⑻ 入学選抜に関すること
県外の生徒が島根県の学校を受験する理由、志望する生徒の傾向(成績面や生活面など)
(志望の決め手)
学校の雰囲気、教育環境、体制、進学実績が良い
希望の学科がある(水産・農業)
部活動が魅力
寮があること、親の勧め、充実した生活が送れそう、自立したかった、地域の人々の温かさ等
(志願する生徒の状況)
かつては生徒指導上苦労することもあったらしいが、現在では学習や部活動を目的として都会地から入学してくる生徒がほとんど。
県外の生徒の保護者代理人に関する事項
〇保護者が県外に居住している場合には、県内に居住している確かな身元引受人があれば、県内の公立高校を受験することができる。
〇身元引受人は原則として志願者の親族である祖父母、おじ、おば等。それ以外の場合は、当該校校長が身元引受人を認めて出願を許可することができる。
〇受験者または保護者と身元引受人の関係を示す、民生児童委員の照明(様式自由)または、その他それを証明する資料(様式自由)が必要となる。
選抜枠(県外枠)県外からの受験生の選抜に関する配慮事項
特に配慮を要する事項はないが、寮の収容定員や地元の中学生の進路保障には十分配慮するよう通知している

㋒県立高校魅力化プロジェクト
(1) 策定にあたって
〇島根県の中学校卒業者 1989年の約12600人から2018年の約6200人と半減。
〇国の動きは、高大接続改革実行プラン(高等学校、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革)と学習指導要領の改訂(新しい時代に必要となる資質・能力の育成)
〇H21年2月に「県立高等学校再編基本計画」では、学科改編や学級数の見直しなどが行われ、1学年4学級以上8学級以内を決定(H30 .4全日制課程第1学年の平均は、3.77学級)
〇H30年3月に「今後の県立高校の在り方検討委員会」からの提言、「2020年代の県立高校の将来像について」を受けた。この提言は、高校教育の特色や魅力を作り出していくのかという、教育の質的な向上に力点が置かれたものである。
この提言を受け、2020年代の県立高校における教育の基本的な方向性と具体的な取り組みを示した「県立高校魅力化ビジョン」を策定し、向こう10年間の方向性と前半5年間の具体的な取り組みを示す。
(2) 策定の方針
島根県は、これまで地域と連携・協働しながら「教育の魅力化」に取り組んできた。それは、島根県の子供たち一人一人に、自らの人生と地域や社会の未来を切り拓くために必要となる「生きる力」を育むため、学校と地域社会がその目標を共有し、協働を図りながら、島根の教育をより良いものに高めていくこと。離島・中山間地域の高校だけでなく、市部も含めたすべての高校が、この考え方を市域社会と共有するとともに、豊かな自然、歴史・伝統、文化などの地域資源を生かしながら魅力ある高校づくりを推進する。
(3) 県立高校魅力化ビジョンの概要
第1章 生きる力を育む魅力ある高校と地域づくりの推進
地域に根ざした小さな高校が魅けた大きな教育効果を全県に広げ、全国に誇れる島根らしい魅力ある高校づくりを進める
〇地域協働スクールの実現
〇地域資源を活用した特色ある教育課程の構築
〇多様な学びの保証
〇「学びの成果」の捉え方、示し方の開発と、学校評価の改善
〇「しまね留学」の推進
第2章 生徒自らが選び、学び、夢を叶える高校づくりの推進
主体的な学習を促し、個性、適正、志向性に応じた多様な学びを生徒一人一人が追及できる、魅力ある高校づくりを進める
〇「求める生徒像」の確立と入学者選抜方法の改善
〇特色ある学科・コースの設置による、主体的な学びの推進
〇生徒の主体性が発揮される高校づくりの推進
〇学びのセーフティーネットの構築
〇インクルーシブ教育システムの推進
〇ICTを活用した授業改善の推進

第3章 将来を見通した教育環境の整備
将来を見通した各高校・指導の在り方の実現に向けた環境整備を推進する
〇地域別の高校の在り方
〇教員の働き方改革、教員の確保と育成

(4) 島根県が目指す魅力ある高校づくり

〇島根県における高校魅力化とは
生徒一人一人に、自らの人生と地域や社会の未来を切り拓くために必要となる「生きる力」を育むことを目指した、地域社会との協働による魅力ある高校づくりのことです。
〇誰にとっての魅力化なのか
生徒たちにとっての魅力です。また、その生徒たちの保護者、教職員、そして生徒や学校を支える地域社会の人々にとっても魅力ある高校づくりを島根県は目指します。
〇高校魅力化の目的とは
生徒一人一人に、自らの人生と地域や社会の未来を切り拓くために必要となる「生きる力」を育むことです。また、それを通して、子供を含む若い世代が、この地域で「学びたい」「生きたい」「子供を育てたい」と思う、魅力ある地域づくりを推進していく事です。
〇島根らしい高校魅力化とは
・豊かな自然、歴史、伝統、文化といった地域それぞれのみりょくや教育資源(ひと・もの・こと)を
生かす、地域社会に開かれた高校づくりです。
・少人数ならではのメリットを生かし、生徒一人一人の魅力や個性を伸ばし、自己実現を支援する、主体性と多様性を尊重する高校づくりです。
・温かな人のつながりや勤勉で粘り強い県民性を生かし、生徒も大人も共に学び続ける、対話的・探求的な高校づくりです。

〇高校魅力化において大切なこと
魅力ある高校づくりの具体的な取り組みに、定まった答えはなく、生徒・保護者、教職員、地域住民等との主体的な対話通して、各高校・地域の特色に応じて取り組まれていくものです。
そのため、学校に関わる我々大人たちも自身も、子供たちと地域社会の未来を見据えて、主体的・対話的に深く学び続ける姿勢であることが重要です。

③ 成果
今回、青森県立高等学校教育改革推進計画第2期実施計画への参考にすべき、様々な考え方を島根県での改革から学ぶことができました。特に、島根県では県立高等学校再編成基本計画が平成21年に策定されていましたが、平成30年に、新たに「県立高校魅力化ビジョン」を策定しました。その柱は、合理性だけではなく、島根県の高校の魅力化を通じて、地域との協働、子供たちの自主的な学びなど、教育の本質的な向上に力点が置かれたものでした。
青森県は、間もなく、青森県立高等学校教育改革推進計画第2期実施計画を策定いたします。第1期計画の反省点も踏まえ、今後の青森県の教育の方向性、そして地域と子供たちの在り方を考え、島根県教育委員会の取り組みと、島根県立島前高校の挑戦の優れた部分を青森県の未来に生かすことが必要です。一緒に進めて参ります。