討論

県民主役の県政の会 渋谷哲一です。
会派を代表して、一部反対討論を行います。
今議会に提出されました45議案の内、議案第1号 令和3年度青森県一般会計予算案、議案第32号 青森県学校職員定数条例の一部を改正する条例案、及び請願受理番号第1号「ゆきとどいた教育を求める請願書」の不採択に反対いたします。
それ以外の、議案第2号から議案第31号まで、議案第33号から議案第45号まで、全ての議案に賛成いたします。

主に二つの点で反対致します。
1つ目は、計上されている原子力及び、核燃料サイクル関連事業の全てに反対いたします。
2つ目は、県立高等学校の統廃合を前提として進められている高等学校教育改革推進計画に関連する全ての予算と議案に反対いたします。

まず1点目です。
青森県には、毎年193億円余の核燃料物質等取扱税や、電源三法交付金、地域振興のための補助金や寄付金など、毎年、巨額の資金が、原子力政策推進のために投入されております。
この他にも、先頃、東通村に対して、東京電力は、5年間で30億円の資金を供給、東北電力は、ふるさと納税により、10億円を寄付するとの発表がありました。
北海道の寿都町や神恵内(かもえない)村は、高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設のための文献調査を受け入れ、それぞれ2年間で最大計20億円の交付金が支給されます。
関西電力では、原子力関連事業を円滑に進めるための贈収賄事件が問題となりました。
これらの資金は何のために投入され、誰が負担しているのか、もう一度、真剣に考えることが必要です。

これまでも、そして、いま現在も、電力事業者は、こう訴えています。
「原子力関連施設の事故は100%起こらないように万全の対策を施します。
私たちの技術力と継続している努力を信頼して下さい。
安全安心が第一です。
事故は絶対起こしませんし、万が一事故が起これば、私たちがしっかり対処いたします。その為の備えは万全です。」と。
原発事故から10年。
果たして、福島第一原発の事故は、これらを証明してくれたでしょうか。
原発避難者はいまだに3.6万人に上り、放射線量が高く、立ち入りと居住制限される帰還困難区域は、福島県内の7市町村、計300㎢以上残っております。東電が避難やなりわいの被害に支払った個人や法人向けの賠償金は、約7兆円で、今後も増え続ける見込みです。納得できない被災者が起こした訴訟も続いております。
地域のコミュニティーを破壊し、避難者が避難先で孤立するだけではなく、保障の金額を巡って被災者同士の分断も引き起こしております。

原子力政策の問題は、地球温暖化の問題とよく似ています。
どちらも、はっきりと問題が目に見えるわけではなく、実際起きてみなければ、どのような影響があるのかもわからず、そして、何より、起こってしまってからでは手遅れだという点です。
その一方で、原発事故が地球温暖化の問題と大きく違う点もあります。
それは、影響が地域限定である事、そして、なによりも人類が何度も実際に体験をしているという事です。
チェルノブイリやスリーマイル事故を経験し、我が国においては、広島、長崎の大惨事も経験いたしました。
10年前に福島の原発事故を目の当たりにし、それでも、なお、原子力及び核燃料サイクル政策と決別することができていません。

福島原発事故以来、国民の原子力への信頼は地に落ち、この10年間政府のエネルギー政策も曖昧なものでした。
規制強化で原発の安全対策工事費は増え続けており、電力会社の負担は計5兆円を上回り、主な原資は、利用者が支払う電気料金ですが、今後さらに増え続ける廃炉費用や高レベル廃棄物の処分費用など、原発の経済性について精密な議論も行われていません。
事故後日本だけではなく世界で原発の安全対策費は高騰し、安価な電源ではなくなる一方で、ヨーロッパを中心に、再生可能エネルギーのコストは劇的に低下し、導入量は大幅に増えました。ドイツでは、2020年総発電量の約4割を占めるまでに至りました。
また、日本経済新聞によりますと、
福島事故後に速やかに脱原発政策を推し進めたドイツは、当初、脱原発により①電力の安定供給が脅かされる、②石炭火力が増えて二酸化炭素排出が増える③原子力が多いフランスからの電力輸入が増えるなどとの指摘があり、政策の実現性に疑問を抱かれておりました。
しかし、実際は、停電時間は短くなり、発電量あたりの二酸化炭素排出量も3分の2に減り、ドイツは電力の純輸出国の地位を維持し続けています。

幸いにも、日本では、核燃料サイクル政策は、ほとんど進んでいません。
先ごろ電事連が提出したプルトニウム利用計画も、具体的なものはほとんどなく、努力目標だけが列記されているだけで曖昧、「もんじゅ」無き後、プルサーマルの主力と謳われている大間原発も、完成の目途は立っておりません。東通原発も再稼働されておらず、六ケ所の再処理工場は、10数年の時を経ても、アクティブ試験に未だに合格しておりません。更に、むつ市にある高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵施設は、その営業開始前に、建設の前提として交わしたむつ市、青森県との立地協定の内容を、事業者は、地元に事前説明もないまま、変えようとしています。このように県民と県議会との約束を守ろうとしない事業者を信頼することはできません。
青森県も核燃料サイクル政策を推進することやめ、次の世代への責任ある政策に転換すべきと考え、関連する予算に反対致します。

次に、議案第32号、青森県学校職員定数条例案についてであります。
まずは、少人数学級についてです。
国は、小学校と中学校1年生までの少人数学級化を進めており、いずれ、中学校2学年と3学年に拡充、さらに、高等学校へと適用されるものと考えます。
その根拠として、現在でも、中学校2学年と3学年で、自治体独自に少人数学級政策を採用しているのが、全都道府県の過半数を上回り、東北6県においては、青森県と宮城県以外は、既に実施済みです。
尚、宮城県内において、仙台市は、少人数学級を実施しております。
東北では、青森県だけが実施していないこととなります。
中学校2学年、3学年の少人数学級化について、速やかに、進めるべきと考えます。

次に、学校職員定数条例案ですが、これは、県立高等学校の教職員が100名以上削減される提案です。
これは、各地区の県立高校が統廃合された結果、募集停止となりそれに基づいて教職員の定数が減らされるものです。
私は、学校規模の標準化という、現在、進行中の県立高校の統廃合に反対です。
よって、今条例案に反対をいたします。
寺子屋に始まった教育制度は、子どもたちの教育により、地域と国を支える人財を育てることを目的としていたはずです。
学校の規模が人を育てるのではなく、教育の質や熱意、子どもたちの未来を思う気持ちがなによりも大切だと考えます。
そして、高校の廃校は、地域社会の衰退に拍車をかけることとなります。
地域コミュニティーが無くなると人財育成を継続することができなくなります。
高等学校では、地元自治体と高等学校の共育による地域独自の学びによる魅力化を進め、生徒の全国募集を取り入れた高等学校改革を推し進めるべきと考えます。生徒数が減るので統廃合するという手法ではなく、高等学校の魅力化による学校の進化を図るべきと考えます。
現在進められている第2期実施計画を、もう一度見直し、単なる統廃合計画とすべきではないと考え、反対いたします。
以上で一部反対討論といたします。

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