国際核融合炉建設支援の現状視察

六ケ所村の幅広いアプローチ活動(国際核融合炉建設支援)の現状を視察してきました。

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日本原子力研究開発機構 青森研究開発センター 副所長 高橋 一路さんと
同機構 核融合研究開発部門 特別研究員 奥村 義和さんのわかりやすい説明で、幅広いアプローチ活動(BA)の今をレポートします。

まずは、

○核融合炉発電とは?
重水素と三重水素を加熱してプラズマ状態(約1億度)にすると核融合が起こり膨大な熱が発生します。その熱でタービンを回し発電します

○プラズマ状態とは?
物質の温度が上昇すると,固体から液体に,液体から気体にと状態が変化します。気体の温度が上昇すると気体の分子は原子に分離され,さらに温度が上昇すると原子を構成している電子が原子から離れて,正イオン(電子を失った原子)と電子に分かれます。この電子と原子が分離する現象を電離といいます。そして電離によって生じた電荷を帯びた粒子を含む気体をプラズマとよびます。

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○原子力のような危険性は?
核融合状態を維持するのは技術的に難しく、燃料供給をストップするとすぐに核融合は止まるので、危険はありません

○なぜ核融合発電なの?
燃料が海水から無尽蔵に採りだすことができるので、未来のエネルギーとして期待されています

○実用化は?
現在,フランスのカダラッシュにおいて核融合炉の建屋建設がはじまりました。全体の完成は2020年を目指しています。そこから実験を重ね、核融合反応実現は、2027年。

○ITER(国際熱核融合実験炉)計画とは?
核融合エネルギーの実現のためには、膨大な費用と時間が必要です。とても一か国での実現は無理(宇宙ステーションのように)なので日、欧、米、露、中、韓、印が費用を分担し協力し、現在、フランスのカダラッシュに建設中です

○幅広いアプローチ(BA)活動とは?
日本と欧州が費用を分担し(460億円ずつ)、主に3つのプロジェクトを2007年から2017年の10年間で行います
① 国際核融合エネルギー研究センター
・原型炉設計・研究開発調整センター
・ITER遠隔実験センター
・核融合計算機シミュレーションセンター
② 国際核融合材料照射施設の工学実証・工学設計活動
③ サテライト・トカマク計画(予備実験等の実施によるITER支援)

○幅広いアプローチ活動はどこで行われているの?
青森県の六ケ所村。そこで核融合炉実現のための最先端の研究が、総勢180名で行われています。また、日本各地の大学と共同研究がおこなわれており、核融合炉実現のための手助けとなっています。

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六カ村には、日本で現在2番目に高性能なスーパーコンピューターが稼働し、プラズマ模擬試験や核融合材料開発等のためだけに使われています。実際に、スーパーコンピューターを見るのは初めてで、大きさと高性能に驚きました。

幅広いアプローチ活動が始まって5年が経過しています。
平成24年6月には、核融合炉の燃料生産のための中性子増倍材として、ベリリウム金属間化合物(べリライド)微小球の量産技術の開発に世界で初めて成功し、成果が上がってきています。今後も、六ケ所村から新しい技術が生み出されていくことに、青森県民として誇りに思います。

【視察日:平成24年9月20~21日】

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