世界遺産登録に向けての取り組みに関する調査報告書

「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」

世界遺産登録に向けての取り組みに関する調査報告書

 

○鹿児島県庁での調査

平成27年7月16日  午前9:00〜午前10:10

調査項目

明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域について

現地担当者

鹿児島県企画部 世界文化遺産総括監 田中 完 氏

鹿児島県議会事務局 政務調査課 第二係長 宮崎 剛 氏

 

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1 「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」は、旧集成館機械工場(現在の尚古集成館本館:鹿児島市)などを含む「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」として本年、平成27年7月8日に世界遺産一覧表に記載。

⑴ 本遺産群の資産の範囲

19世紀後半より20世紀初頭にかけて、日本国は僅か半世紀で産業国家に変貌していった。この明治期の重工業(製鉄・製鋼、造船、石炭産業)における急激な産業化の道程を時間軸に沿って証言する産業遺産群(現役産業施設を含む)により構成されている。これらを構成する資産は九州・山口地区を中心に、全国8県11市に立地し、地理的に分散しているが、群として構成遺産全体として世界遺産価値を有し、意義を高めながら、一つの範囲を構成している。(いわゆるシリアルノミネーション)

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⑵ 世界史的意義

重工業(製鉄・製鋼、造船、石炭産業)は日本経済の屋台骨を支える基幹産業である。幕末から明治後期にかけて、日本は工業立国の経済的基盤を築き、急速な産業化を果たした。20世紀初頭には、非西洋地域の中で、他に先駆けて、産業国家としての地位を確立した。アメリカ軍東インド艦隊の江戸湾来航以来、徳川幕府が開国の方針に改めた後、僅か半世紀で、西洋の技術と伝統的な日本の文化が融合し、重工業の急速な産業化を進め、産業国家の礎を築いた事は、技術、産業、社会経済に関わる世界の歴史的発展段階において、歴史的価値、技術的価値、文化的価値の極めて高い、特筆すべき類稀な事象である。

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⑶ 構成資産

本産業革命遺産は、8エリア、23施設で構成される。

     萩反射炉、恵美須ヶ鼻造船所跡、大板山たたら製鉄遺跡、萩城下町、

松下村塾、

鹿児島 旧集成館、寺山炭窯跡、関吉の疎水溝、

韮山   韮山反射炉

釜石   橋野鉄鉱山・高炉跡

佐賀   三重津海軍所跡

長崎   小菅修船場跡、三菱長崎造船所 第三船渠、

三菱長崎造船所 ジャイアント・カンチレバークレーン、

三菱長崎造船所 旧木型場、三菱長崎造船所 占勝閣、

高島炭坑、端島炭坑、旧グラバー住宅、

三池   三池炭坑・三池港、三角西(旧)港

八幡   官営八幡製鉄所、遠賀川水源地ポンプ室、

 

平成18年に公募した当時は、13件だけであったが、平成23年には30カ所まで増えた。近代化遺産の専門家委員会により幅広く盛り込んでから絞り込みながらテーマの絞り込みとアウトスタンディングバリュー(不変的価値)を高めていった。(当初は薩摩焼なども提案されていた。)

 

2 推進体制

関係自治体の連携のもとに、世界遺産への登録を推進するため、平成20年10月29日、九州・山口の関係6県11市により鹿児島県知事を会長とする世界遺産登録推進協議会を設置した。(現在は8県11市体制)

また登録に必要な専門的な調査研究を行うため、海外専門家として、ニール・コソン卿(元イングリッシュヘリテージ総裁)ほか7名、国内専門家として、西村幸夫(東京大学先端科学技術研究センター所長)ほか6名、計15名からなる専門家委員会を協議会に設置した。

これはひとえに世界遺産への登録を実現する為には、専門家としても外国から見た妥当性という視点が不可欠との考え方によるものである。

更に、海外の専門家に資産構成の妥当性を協議してもらい、中立性を守ったため、資産構成から外れた自治体も納得しながら協力を得ることができた。

 

このプロジェクトは、平成17年に鹿児島県主催で開催された「九州近代化産業遺産シンポジウム」において基調講演を受けたイコモスの産業遺産事務局のスチュワート・スミス氏から提言を受けた事が重要なきっかけとなったものである。県においても外国からの専門家の視点を大いに取り入れ、練り直す必要があるのではないか。

 

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鹿児島県の遺産構成資産の視察は、7月15日午後3時から午後5時までの間、旧集成館副館長の案内によって行われました。

薩摩藩の歴史から島津斉彬の藩政まで詳細にわたる説明を受け、積極的に近代化を進めた姿勢が、日本全体の近代化の原動力となった事を実感することができました。

今回の世界遺産登録も、歴史の理解があってこそ価値があるものではないでしょうか。歴史を基にした構成遺産の説明を行えるボランティアガイドの育成が今後の課題だそうです。

 

○旧集成館(反射炉跡)鹿児島県鹿児島市

19世紀、イギリスやフランス、アメリカなどの国々が次々とアジアに進出する中、日本の南端に位置する薩摩藩は、外国の脅威に最初に接する所でした。1842年、アヘン戦争で清が敗れた後、薩摩藩でも、外国の進出に警戒する動きが強まり、1851年に薩摩藩主になった島津斉彬は軍備の強化だけでなく、殖産興業に取り組むなど、日本を外国に負けない強く豊かな国にする必要があると考え、鹿児島市磯の地に、『集成館』と名づけた工場群を築いていきます。近代的な大砲の生産や造船に力を注ぎ、反射炉の建造にも着手、やがて自力での反射炉建設に成功します。この反射炉は、「ヒュゲニンの技術書」の図面を基に地元の石積み技術を使って基礎を築き、薩摩焼の技術を使って耐火煉瓦を焼くなどして、西洋と日本の伝統技術を組み合わせながら建設するわけですが、一号炉は失敗し二号炉で完成しました。当時の職人たちの苦労は想像をはるかに超える困難があったことは推測できます。しかしそれを完成させる技術力はやはり外国と一番接している薩摩藩だからできたことかもしれません。

 

○旧集成館(機械工場)鹿児島県鹿児島市

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島津斉彬の亡き後、薩英戦争によって外国との差を見せつけられた薩摩の人々は、斉彬が行った集成館事業の必要性を再認識します。1865年には、英国に留学性を派遣するなど、西洋の進んだ技術や知識を積極的に学び、またオランダから優れた機械を直接購入することで、近代化・工業化を加速させていくことになります。

再開された集成事業では、製鉄や造船をはじめ、機械製造、紡績、ガラス工芸、薩摩焼の開発など、数多くの事業が取り組まれていました。これらの事業は、「強く豊かな国」を夢見た斉彬の近代化への想いを受け継いだ多くの人々の知恵と努力によって実現されていきました。

現在の旧集成館機械工場は、薩英戦争によって破壊された工場を、斉彬の意思を受け継いだ藩主・忠義が1865年に再興したもので、いまでは、現存する日本最古の西洋式機械工場でありますが、その外観は、当時の技術のレベルの高さを感じさせるものであり、本来耐火煉瓦で建造する建物を、頑強な凝灰岩の厚さ60㎜もの壁で造るなど和洋折衷の建物であることが、150年経ってもびくともしない理由の気がします。

 

○旧集成館(旧鹿児島紡績所技師館)鹿児島県鹿児島市

 

明治時代になって日本の基幹産業となる近代紡績業。斉彬は洋式帆船建造のための帆布を自分たちで製作するために紡績事業に力を入れたとも言われています。江戸・長崎で蘭学を学び、斉彬が進めた反射炉建設を担当した石河確太郎は、斉彬亡き後紡績事業の重要性を薩摩藩主・島津忠義らに伝え、イギリスから紡績機械を購入するように訴えます。その様な働きかけもあり薩摩藩はイギリスに使節団を送り、プラット社から紡績機械を購入、指導にあたる技術師の派遣も依頼しました。1867年、日本で初めてとなる洋式紡績工場である鹿児島紡績所が完成。イギリス人技師が滞在するための宿舎(旧鹿児島紡績所技師館)も完成し、技師たちは職工の技術指導にあたりました。 技師たちが訪れる前から、藩独自の技術で大幅織機を製作する技術をもっていた薩摩の人々は、わずか1年間で蒸気機関を動力とする洋式紡績の技術を習得します。この辺も薩摩藩の人たちのレベルの高さの一端を垣間見られるところであると思います。明治になり、その技術と知識は全国の紡績工場へと広まっていくわけですが、現在世界遺産登録がされた富岡製糸場もまたこの技術が起源らなっているとのことです。

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(副館長さんと共に!)

 

 

 

 

 

萩市における「明治日本の産業革命九州・山口と関連地域」世界遺産登録への取り組みについて

平成27年7月17日 午前9時 萩市役所

 

<登録までの取組について>

萩の産業遺産群は、産業技術導入の最初期の遺産群で「萩反射炉」

「恵比須ヶ鼻造船所跡」「大板山たたら遺鉄遺跡」「萩城下町」「松下村塾」の5つの資産で構成されており、産業化を目指した社会の全体像とその性質を明瞭に表している事に大きな価値があります。

萩市は当初萩城下町として、他の城下町と一緒に世界文化遺産登録を目指していました。江戸時代の城下町の街並みが残り、400年も前の商人の屋敷が現存しております。また、松下村塾は、明治維新の原動力となったことが多くの日本人を惹きつけておりました。

 

ところが、その後、鹿児島県から「明治日本の産業革命遺産」での世界遺産登録を目指すことを呼びかけられたため、萩市の構成資産を見直し、九州各地の自治体と一緒に協力しながら世界遺産登録を目指す事になりました。

 

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(萩のボランティアガイドによる萩市全体の説明)

今回、世界遺産登録が比較的短期間で成されたことと、以前は市民の認知度が低かった、日本の近代化を推し進めるうえで大きな役割を果たした反射炉や造船所跡などの価値が改めて見直されたことで、結果的に、萩市の貴重な財産が再認識された形になっている。

以前は、毎年200万人くらいの観光客が萩市を訪れていたが、近年、140万人程で推移していた。しかし、今年は世界文化遺産登録やNHK大河ドラマ「花燃ゆ」等の効果によって200万人をかなり超える入り込み客数となっている。

 

○萩市の構成資産の視察は、7月16日観光ボランティアガイドさんの案内で行われました。萩反射炉は、世界遺産登録前は、市民からもあまり注目認知されておりませんでしたが、急遽注目を浴び、現在、公園の整備と駐車場、トイレの整備が行われました。歴史的価値が、新たな観光資源を生み出しました。

 

 

 

 

 

○萩反射炉 山口県萩市

 

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反射炉は鉄製大砲の鋳造に必要な金属溶解炉で、萩(長州)藩の海防強化の一環として導入が試みられました。萩(長州)藩は、1855(安政2年)反射炉の操業に既に成功していた佐賀藩に大工棟梁である藩士の小沢忠右衛門を派遣し、反射炉をスケッチして持ち帰ります。現在残っている遺構は煙突にあたる部分で、高さ10.5mの安山岩積み(上方一部レンガ積み)です。オランダのヒュゲニン原書によると、反射炉の高さは16mですから約7割程度の規模しかありません。また、萩(長州)藩の記録で確認できるのは、1856(安政3)年の一時期に試みに反射炉が操業されたということだけであることから、萩反射炉はこのスケッチをもとに試作的に築造されたと考えられています。 現存するのは韮山(静岡県)と萩の2か所だけで、我が国の産業技術史上大変貴重な遺跡です。

 

○恵美須ヶ鼻造船所跡 山口県萩市

 

1853(嘉永6)年、幕府はペリー来航の衝撃から、各藩の軍備・海防力の強化を目的に大船建造を解禁し、のちに萩(長州)藩に対しても大船の建造を要請しました。1856(安政3)年、萩(長州)藩は洋式造船技術と運転技術習得のため、幕府が西洋式帆船の君沢型(スクーナー船)を製造した伊豆戸田村に船大工棟梁の尾崎小右衛門を派遣します。尾崎は戸田村でスクーナー船建造にあたった高崎伝藏らとともに萩に帰り、近海を視察、小畑浦の恵美須ヶ鼻に軍艦製造所を建設することを決定しました。同年12月には萩(長州)藩最初の洋式軍艦「丙辰丸」(全長25m、排水量47t、スクーナー船)が、また1860(万延元)年には2隻目の洋式軍艦「庚申丸」(全長約43m)が進水します。丙辰丸建造には、大板山たたらの鉄が使用されたことが確認されています。現在、造船所跡には地下遺構と当時の規模の大きな防波堤が残っており、2013年10月に国の史跡に指定されました。

 

○萩城下町 山口県萩市

 

萩城下町は萩(長州)藩の政治的・経済的・文化的・軍事的な拠点でした。

藩主の居館や藩政の中心機関があった本丸や二の丸があった地区で、この一帯は国の史跡に指定されています。旧家の大邸宅や幕末や明治維新に活躍した偉人たちの住居がいくつも並ぶこの街並みは、歴史好きにはたまらない場所といえることは間違いなく、多くの観光客が訪れると伺いました。近年観光客の推移は減少傾向でありましたが、NHKの大河ドラマの影響もあり、回復傾向とのことでした。さらには 1874 (明治7)年、全国に先駆けて、萩(長州)藩のシンボルであった萩城を解体し、石垣を残すだけとなった城跡は、萩・長州】藩における近代化のストーリーの終焉を意味し、本丸は現在、指月公園として整備されており、春には600本余りのソメイヨシノが咲き誇り観光客をお迎えします。

 

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○松下村塾 山口県萩市

 

萩(長州)藩の兵学者吉田松陰が主宰した私塾です。木造瓦葺き平屋建ての小さな建物で、8畳の講義室と10畳半のひかえの間があります。 萩が生んだ幕末の志士吉田松陰は、萩(長州)藩が明治維新を推進した原動力となった人材を育てた人物です。ペリーが再来航した1854(安政元)年、松陰は25歳のときに伊豆下田でアメリカ艦船に乗り込み海外渡航を試みましたが失敗に終わり投獄され、のちに許されて実家(国史跡 吉田松陰幽囚ノ旧宅)に謹慎となりました。謹慎していた1856(安政3)年から門人への指導を開始し、1857(安政4)年に現存する塾舎に移りました。 1858 (安政5)年に閉鎖されるまでの約2年10ヵ月の間に約90名の門人に教えました。塾生からは倒幕の指導的役割を果たした高杉晋作や、明治政府の初代内閣総理大臣となった伊藤博文などを輩出しました。そのほか、日本の近代化、工業化の過程で重要な役割を担った多くの逸材がここで学びました。

現在では、吉田松陰記念館が建てられ国内だけでなく中国、韓国、台湾など近隣の外国人が観光に訪れ、いろいろな言葉が飛び交うようなスポットになっておりました。

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平成27年3月予算特別委員会

民主党 渋谷議員 質問項目

1  議案第1号 平成27年度青森県一般会計予算案について
(1)歳出7款2項1目 観光振興費 青森県・函館デスティネーションキャンペーンに向けた取組について
ア 青森県・函館デスティネーションキャンペーンの目的について伺いたい。(観光交流推進課)
イ 平成23年4月に実施した青森デスティネーションキャンペーンの成果について伺いたい。(観光交流推進課)
ウ 前回のDCの成果を踏まえ、今回のDCは、どのように取り組んでいくのか伺いたい。(観光交流推進課)
エ 道南地域との連携について、どのように取り組んでいくのか伺いたい。(観光交流推進課)
オ 観光客の満足度を高め、キャンペーン終了後も訪問していただくため、どのように取り組んでいくのか伺いたい。(まるごとあおもり情報発信チーム)

(2)歳出10款6項2目 文化財保護費 縄文時遊館増築事業について(文化財保護課)
ア 縄文時遊館増築事業の経緯、概要及びスケジュールについて伺いたい。
イ 三内丸山遺跡では発掘調査が毎年行われているが、その目的と今後の発掘調査での出土品も展示収蔵できるのか伺いたい。
ウ 縄文時遊館の増築を機会に入場料を徴収すべきと考えるが、県教育委員会の考えを伺いたい。

(3)歳出7款2項3目 美術館費 三内丸山遺跡等管理費について(観光企画課)
ア これまでの三内丸山遺跡ゾーンの有料化の検討状況について伺いたい。
イ 縄文時遊館の改修を契機に三内丸山遺跡ゾーンを有料化すべきと考えるが、県の考え方を伺いたい。
ウ 三内丸山遺跡ゾーンの有料化の検討に向けて、アンケートを採るべきと考えるが、県の考え方について伺いたい。

(4)歳出6款1項13目 稲作振興対策費 県産主食用米の生産方向について(農産園芸課)
ア 「青天の霹靂」の平成28年以降の作付けの考え方について伺いたい。
イ 「つがるロマン」と「まっしぐら」の作付けの方向について、県はどのように考えているのか伺いたい。

(5)歳出6款1項6目 経営金融対策費 稲作農家の所得安定に向けた取組について(団体経営改善課)
ア 平成26年産の米価下落を受けて創設した稲作経営特別セーフティネッ   ト資金の融資実績について伺いたい。
イ 稲作経営特別セーフティネット資金の農協における融資実績について伺い   たい。
ウ 農協とは、どのような目的を有する団体なのか、また、農家と農協はどのような関係にあるのかについて伺いたい。

(6)歳出6款1項16目 総合販売戦略費 ブランド化促進事業について(総合販売戦略課)
ア 本事業の取組状況について伺いたい。
イ これまで、ブランド化に取り組んだ産品の状況について伺いたい。
ウ これまでの結果を踏まえ、今後の取組について伺いたい。
エ 県産シジミについても、ブランド化を促進するべきと考えるが、県の見解を伺いたい。

(7)歳出6款5項3目 林業振興指導費 県産LVL普及推進事業について(林政課)
ア 県産LVL普及推進事業について
(ア)事業の目的と取組内容について伺いたい。
(イ)住宅への県産材利用拡大によって、どのような効果が期待されるのか伺いたい。
イ LVL製品の利用について
(ア)立地企業は、県内にLVL製品を供給する考えはあるのか伺いたい。
(イ)LVL製品は、無垢材や集成材と比べ価格が高いと聞いているが、県内で使われる目途はあるのか伺いたい。
ウ 丸太の安定供給について
(ア)LVL工場へ丸太を安定的に供給していくことが必要となるが、供給体制はどうなっているのか伺いたい。
(イ)丸太の生産が、近場の森林から徐々に奥地化され、安定供給ができなくなるおそれはないのか伺いたい。

(8)歳出8款5項1目 都市計画総務費 コンパクトな都市づくりの推進について(都市計画課)
ア 人口減少下における都市づくりにおいては、人口密度の維持が重要と考えるが、都市的地域を表す人口集中地区の本県の状況について伺いたい。
イ 一定の人口密度を維持するため、今後、どのような都市づくりを目指していくのか伺いたい。
ウ まとまった居住を推進するため、具体的にどのような手法があるのか伺いたい。

(9)歳出7款1項7目 産業立地推進費 誘致企業の定着に向けた取組について(産業立地推進課)
ア 平成15年度からこれまでの企業誘致件数及びこのうち撤退した企業数と撤退理由について伺いたい。
イ 誘致企業が撤退しないよう、県では誘致企業の定着に向けて、今後どのように取り組んでいくのか伺いたい。

(10)歳出7款1項6目 地域産業費 自動車・ものづくり産業基盤育成事業費の内容について(地域産業課)
ア 県内自動車関連産業の振興に向けたこれまでの取組とその成果について伺いたい。
イ 県内自動車関連産業の振興に向けて、今後、どのように取り組んでいくのか伺いたい。

【東奥日報】
20150311touou

【デーリー東北】
20150311daily

平成26年11月 第280回定例会一般質問

民主党会派の 渋谷 てつかず です。

通告に従い、一般質問を行います。

 

「賃金は、必ず上がり、国民生活は、豊かになる。景気回復は、この道しかない」と訴え、安倍総理は、衆議院を突然、解散いたしました。

そもそも、総理が実績を強調する安倍ノミクスとは一体、どのようなものなのでしょうか。

「金融緩和、財政出動、成長戦略」の三本の矢は、自民党政権がこれまでも行ってきた手法であり、何が違うのでしょうか。

地方では、景気回復の実感は全くなく、公共事業による財政出動は、震災復興の緒に就いた東北地方の人件費や材料費を高止まりさせ、むしろ、復興の妨げとなっております。

バブル崩壊後、幾度となく財政出動がなされましたが、景気回復に結び付くことはなく、借金だけが増え続ける結果となっています。

国民生活の豊かさを示す指標である、実質賃金指数は、前年同月比3%減となり、15ヶ月連続で減少しております。

このような状況で、国民の生活が豊かになったと感じている人は、どれだけいるのでしょうか。

 

安倍総理が放ったといわれている3本の矢とは、むしろ、国民の生活に、しっかりと突き刺さり、いくら折ろうと思っても折れない、3本の赤い矢ではないでしょうか。

1本目の矢は、1000兆円を超える国の借金

2本目は、国家予算の半分を借金で賄う異常ともいえる赤字予算でありながら、それを是正できない問題先送り体質の政治

そして、3本目は、円安が進んでも改善しない国の貿易赤字

わが国は、今や、借金に依存して国家運営を行い、国際社会での競争力を失いつつある国となっているのです。

この問題を解決する方向が示され、具体的に実行されない限り、わが国の景気回復はあり得ないのではないでしょうか。

 

今、日本は、変わらなければならない時に来ております。

それにもかかわらず、かつて、高度成長期に、国民の生活が豊かになり、日本を経済大国へと押し上げた成功体験が、日本の変革を妨げております。

 

 

私には、安倍総理が、「この道しかない」と訴えている道は、これまでも歩んできた道であり、大人が作った重い荷物を、既に、私たちの子供たちに背負わせながら、今の生活を続けるために更なる荷物を孫たちにまで背負わせようとしている「道」にしか見えないのです。

世界は、時代とともに大きく変わっております。

にもかかわらず、日本の政治は、未だに、これまでと何ら変わらない政策を繰り返しているだけです。このような状況で、本当に景気が回復すると信じているのでしょうか。

 

国民は、政治に変わってほしいとのメッセージを出し続けております。

民主党が政権交代を成し得たのも、それまでの長い自民党政治を変えてほしいとの願いからでした。しかし、政権に就いた民主党は、その期待に応えることができず、わずか数年で国民からノーを突きつけられ、変わって安倍政権が誕生しました。自民党は、少しは変わったのではないか、新しい政治が行われるのではないかといった期待感が、景気回復のエネルギーとなっただけではないでしょうか。残念ながら、期待感だけでは、景気は回復しません。

国民の願いは、自民党だろうが民主党だろうが、どの党でも構わない。私たちの生活を少しでも良くしてもらいたい、ということであり、今回の衆議院選挙が、国民の声を聞き、国民のための政治が行われる新しい一歩となることを切に願っております。

 

 

さて、このような国の将来に繋がる国政選挙の最中、三村知事は、知事4期目への出馬を県議会において表明いたしました。

 

「権力は、腐敗する」ということは、歴史が証明しており、近年の自治体の長も、3期12年を一区切りとしているようです。マスコミ報道では、自民党でも、党の規約により推薦は3期までとしているようで、今回は、青森県連推薦という特別な形となっていると伺っております。

多選の批判を受けるリスクを背負いながら、敢えて4期目に出馬を決意した三村知事には、並々ならぬ思いがあることと推察いたします。

特に、青森県には、国策と深くかかわっている様々な課題があります。

安全安心な食料の供給と核燃サイクルを中心としたエネルギー供給、そして、北の守りともなる防衛の各分野では、国民のために、本県が責任と誇りを持って取り組んできた政策であります。

 

知事は、今後、どのような県政運営をめざしているのか、次の4つの分野でお伺いいたします。

(1)本県農業の持続的発展に向けた「攻めの農林水産業」の展開について

(2)県民の健康と命に係わる取り組みについて

(3)県民が働きやすい環境の構築について

(4)核燃サイクル政策について

 

まず始めに、本県の農業を持続し発展させていくための取り組みについてお伺いいたします。

 

本県の農林水産業は、青森県の主力産業です。それにもかかわらず、農家は高齢化し、若い担い手が増えないという厳しい状況が続いております。所得が安定せず、将来設計が描けない農家から、このままでは農業を続けられない、との悲痛な叫びが聞こえてきます。

いくら良いものを作っても、販売先が無くては、農業を続けられません。販売先を、いくら確保しても経費倒れとなっては、農業を続けることはできません。農業にも、経営という意識が必要不可欠です。

既に、国際社会では、食料の争奪戦が始まっており、欲しいものを安く手に入れる時代は終わろうとしております。食の安全を脅かす事件も頻発しており、国民の生命線ともいえる食料は、いずれ自国で育てていく事が必要となってまいります。そのためにも、青森県は、地域農業を担う経営体を育成していかなくてはなりません。国際競争力を磨きながら、コスト削減をし、市場のニーズに応えて安定供給を図る体制を県の強いリーダーシップによって構築していかなくてはなりません。

 

ア)県は、これまでの「攻めの農林水産業」の成果と課題をどのように捉え、今後の施策を展開していくのかお伺いいたします。

イ)本県農業の持続的発展に向けて、三村知事は、地域農業を担う経営体を、どのように育成していくのかお伺いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

次に、県民の健康と命を守る取り組みについてお伺いいたします。

近年、県内のマスコミを中心に、「短命県返上」というキャンペーンが盛んに展開されております。全国一の短命県という事実を、県民一人ひとりが認識することとなったのではないでしょうか。まずは、県民の自覚が大切です。

例えば、県民の死因の第一になっている癌への対策は、青森県立中央病院を拠点病院とし、患者により添うべくチーム医療や緩和ケア、先進技術の導入、また、地域医療連携などの体制を構築し、劇的に変わってまいりました。

しかしながら、その一方で、検診率は、未だに30%程度にとどまっている事実を見ると、まだまだ県民の健康に対する意識は低い、と言わざるを得ません。

まず、県民に現状を知り、問題を共有し、県と県民が一体となって課題に取り組むことが、短命県返上の鍵だと思われます。

 

ア)三村知事が就任以降の平均寿命延伸に向けた取り組みについてお伺いいたします。

イ)県民の平均寿命延伸に向けた今後の取り組みの方向性についてお伺いいたします。

 

次に、県民が働きやすい環境の構築についてお伺いいたします。

青森県の有効求人倍率(季節調整値)は、昨年10月の0.72倍から上昇し、本年5月の0.83倍をピークに、減少に転じ、10月には、0.77倍となりました。

ちなみに、本県と最下位を争っている沖縄県は、昨年10月の0.59倍から上昇を続け、本年10月には、0.76倍と、本県とほぼ同じ水準となり、逆転されるのも時間の問題と思われます。

確かに、これまでより数値は改善しているものの、全国的には、半数以上の都道府県の有効求人倍率は1.00倍を超えており、青森県では、働きたくても働く場所がないという状況は依然として続いております。

若い人たちが働きたくても働く場所がない。正社員になれない。給料が低く、いくら働いても暮らしていけない。再就職できない。といった厳しい声ばかりです。

全ての県民が、安心して働くことができ、働くことへの意欲が持てる青森県の職場環境を築いていくことが必要です。

 

 

 

 

 

まず始めに、職場への定着に向けた県の取り組みについてお伺いいたします。

学校を卒業して正規職員として採用されても、短期間で離職してしまうケースが多くみられます。

働き始めてみると、現実とのギャップが大きく、ミスマッチとなって離職する若者が多いと伺っております。働く若者の意識改革と、企業による働く環境改善の双方への取り組みが必要です。

ア)新規学卒者の離職率の状況と若年者の職場定着に向けた県の取り組みの内容についてお伺いいたします。

 

次に、正規雇用化についてです。

政府の政策により、非正規雇用の割合が、増え続けております。

非正規雇用が増えれば増えるほど、県民の生活が不安定となり、特に、若者は、結婚や出産を躊躇する事態となり、少子化に拍車をかけているのではないでしょうか。正規社員となり、安心して、安定して働いて暮らしていける環境を少しでも増やしていくべきです。

 

イ)本県の、正規雇用者と非正規雇用者の割合の状況と非正規雇用者の正規雇用化に向けた県の取り組みの内容についてお伺いいたします。

 

次に、育児休業制度についてお伺いいたします。

この制度は、出産や子育てが働く女性の不利益とならないよう、社会全体で支援していくというものです。

人口減少や少子高齢化が急激に進む現状では、女性の職場での活躍や、それを支える職場環境が、青森県の活力となっていきます。

人口の少ない北欧の国々では、積極的に女性労働力を活用する施策がとられ、国民生活を豊かにする原動力となっております。

残念ながら、本県では、制度はあるが、利用しにくいといった状況が、まだまだあると思われます。男性の制度利用も進んでいません。

県内全ての働く女性が、安心して働ける環境を築き上げることこそが、更なる女性の就労を促していくのではないでしょうか。そのためにも、育児休業制度の利用促進への取り組みが必要です。

 

ウ)県内における育児休業制度の利用状況と復職状況についてお伺いいたします。

エ)また、育児休業制度の利用拡大に向けた取り組みについてお伺いいたします。

次に障害者雇用についてお伺いいたします。

 

障害を持った方々も、障害の程度にかかわらず、社会の役にたちたいという思いを持っており、働いて自立していくことが、障害者の生きる力となります。私たち自身も、誰かの役にたち、社会に貢献することが、生きがいとなっているのではないでしょうか。

残念ながら、本県の長引く経済の低迷などにより、障害を持った方々の社会参加はなかなか進んでいないのが現状です。

障害者雇用促進法では、事業者に対し、常時雇用する従業員の一定割合(法定雇用率)以上の障害者を雇うことを義務付けており、この法律により、障害者雇用が着実に進んでいくものと思われます。

この問題は、社会全体で取り組んでいかなくては、解決できない課題です。

県内企業の取り組みを後押しするためにも、県が率先して、障害者雇用率の遵守と、更なる雇用率アップに努めていかなくてはならないのではないでしょうか。

 

オ)県内の行政機関及び民間における障害者雇用状況について、お伺いいたします。

カ)また、障害者の雇用率を高めるための取り組みについても、お伺いいたします。

キ)県教育委員会の障害者雇用率の推移はどのようになっているか。そして、法定雇用率を達成している都道府県は、全国でどのくらいあるのかお伺いいたします。

ク)県教育委員会の障害者雇用のこれまでの取り組みについてお伺いいたします。

ケ)最後に、県教育委員会では、障害者雇用率の改善に向けて、今後どのような取り組みを実施していくのかお伺いいたします。

 

次に、いわゆる3K職場といわれていた、看護師、介護職員、保育士の労働環境についてお伺いいたします。

この分野での職場では、働く女性の割合が高く、重労働でありながら給料が低いといった、働く環境の改善が求められてきましたが、未だ実現されておりません。

これらの労働環境を改善することが、女性の就労を促し、県民の医療、介護、そして子育て支援を更に進めていく力となるのではないでしょうか。青森県の現状と対策をお伺いいたします。

まず、看護師等の労働環境について

 

コ)看護師等の需給の状況について県の認識をお伺いいたします。

サ)看護師等の勤務実態について、県の認識をお伺いいたします。

 

一旦、離職した看護師は、復職が難しいといわれております。

 

シ)看護師等の離職防止及び再就業促進のための県の取り組みについてお伺いいたします。

 

次に、介護職員の労働環境についてお伺いいたします。

 

私は、県内の介護職員から切実な訴えを受けました。

その内容は、

「介護職員として働いても給料が安く、家族3人で暮らしていけない。その上、サービス残業が慢性化して、仕事もきつく、このままでは、とても続けていけない。監督署に相談しても、結局何も変わらない。」とのことでした。残念ながら、その男性は、結局、離職いたしました。

おそらく、このような事例が他にもたくさんあるのではないでしょうか。

県が、率先して、これらの問題を解決していくべきです。

 

ス)県内の介護職員の就業実態についてお伺いいたします。

セ)利用者に対するサービスの質を向上させていくためには、介護職員の処遇を改善していく必要があると考えますが、県では、どのように処遇改善を図っていくのかお伺いいたします。

ソ)また、国が行った介護職員処遇改善加算について、制度の趣旨通り介護職員に適正に支給されているのかが心配です。介護職員への支給状況を県ではどのように把握しているのかお伺いいたします。

 

次に、保育士の労働環境について

 

タ)県内の保育士の就業状況の実態についてお伺いいたします。

チ)質の高い保育士の育成・確保を図るため、県では、保育士の処遇改善についてどのように対応していくのかお伺いいたします。

 

 

次に、女性が働きやすい環境を作るための病児保育についてお伺いいたします。

幼い子供は、突然、熱をだし、病気になりがちなため、女性が働きづらい一因ともなっております。周りに支える家族がいない場合、子供の突然の病気は、働くお母さんにとっては、切迫した問題となります。社会全体で子供を育てるという視点からも、支援が必要と考えます。

 

ツ)県内の病児保育の実施状況についてお伺いいたします。

テ)子育て支援の充実を図るため病児保育を拡充していくべきと考えますが、県は、どのように推進していくのかお伺いいたします。

 

最後に、青森県のエネルギー政策についてお伺いいたします。

人類の歴史は、食料とエネルギー確保の歴史でもあります。

そして、国の最大の責務は、国民の生活を守り、持続させていくことであります。

東日本大震災後、本県でも、大規模な停電が各地で起こり、物資が不足し、改めて、私たちの生活が、エネルギーに支えられていることに気づかされました。もはや、私たちの生活は、電力なしでは成立しない社会になっております。

 

2014年のエネルギー基本計画では、次のように日本の現状が記述されております。

福島第一原子力発電所の過酷事故以降、国内全ての原子力発電所が停止し、2012年の我が国のエネルギー自給率は6.0%まで下がりました。化石燃料への依存率は、震災前の6割から9割へと激増し、その影響で、日本の貿易収支は、2011年に、31年ぶりの赤字となり、2013年には、11.5兆円という過去最大の赤字幅となりました。

中東地域への原油の依存率は83%、LNGで30%です。

ひとたび、中東地域で紛争が起これば、日本への原油供給が止まってしまいます。それによって国内の火力発電所も稼働を停止します。

また、現在は、アメリカのシェールガスのお蔭で原油価格が低下しておりますが、いつまでも続くわけではありません。いずれ、原油価格は、限りある資源として高騰し、日本経済の根底を揺るがす事態となります。

エネルギーの安全保障、経済、地球温暖化問題など、どの観点からも、わが国は、危機的状況にあります。

 

 

 

現在、地球温暖化対策を話し合う国連の会議COP20では、京都議定書に代わる、新たな枠組みを作る作業が進められております。CO2の最大排出国であるアメリカと中国を加え、全ての国々が参加する協定を目指しており、日本としても、国際社会に向けて、しっかりした対策を打ち出していく責任があります。

勿論、太陽光発電や風力発電などに代表される再生可能エネルギーによって、国内の電力を100%供給できることが理想だと思いますが、今すぐの達成は、現実的ではありません。

それが実現できるまで、多種多様な電源を確保し、日本のエネルギー供給を守っていく必要があります。

 

青森県は、これまで、政府とともに、エネルギーのベストミックスを確立するために、核燃料サイクルを推進してきました。今や、青森県は、この分野では世界の中心的存在といっても過言ではないと思います。

私は、今後、日仏米英の4か国が協力し、地球温暖化問題に対して積極的に取り組み、世界のエネルギーと温室効果ガス削減問題解決を目指していくべきと考えます。

そのためにも、わが国には、解決すべき課題があります。

それは、高レベル放射性廃棄物の最終処分場です。

核燃料サイクルには、最終処分場が必要不可欠であり、この問題を解決せずして、サイクルの推進はあり得ません。

 

そこで、知事が核燃サイクルに協力してきた理由と今後の対応についてお伺いいたします。

 

ア)これまで核燃サイクルに協力してきたことに伴い、本県の地域振興の面で、どのような効果があったのか伺いたい。

イ)知事が関係閣僚への確認要請を続ける理由についてお伺いいたします。

ウ)高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定に向けた国の取り組み方針について、県の所見をお伺いいたします。

エ)高レベル放射性廃棄物の最終処分について、国が各都道府県に説明するとの話があるようですが、これまで県に対し、どのような説明があったのかお伺いいたします。

オ)国が、今後、最終処分地の科学的有望地の選定の要件・基準等を示していくとしていることについて、県はどのように対処する考えなのかお伺いいたします。

以上で、壇上からの質問とさせていただきます。

伊方原子力発電所の現状と今後の課題について

訪問日時 平成26年5月16日 10:00〜12:00
目 的 地 四国電力・伊方原子力発電所
所 在 地 愛媛県西宇和郡伊方町九町コチワキ3−40−3
担 当 者 四国電力総務広報部広報課 浜田氏

001「伊方ビジターズハウス」には定刻より少し遅れて到着したものの快く出迎えて頂いた。
まずは、ビジターズハウス内においてこれまでの取組の説明を受け、その後用意して頂いたバスに乗車し発電所施設内を見学と説明を受ける事になった。

 

 

・愛媛県伊方町にある四国電力伊方発電所は、愛媛県の西端から九州に向かって槍のように突き出た佐田岬半島の付け根寄りに位置している。

長さ40キロの日本一狭長な半島が、瀬戸内海と太平洋側の宇和海を区切る形になっており、発電所は瀬戸内海に面している。
発電所には加圧水型の原子炉が3基あって1・2号機は共に出力56.6万kW。3号機は89万kWで一番大きく新しい。(安全審査は3号機を申請)

002・四国電力では、平成19年の新潟県中越沖地震を踏まえて自主的に免震構造の総合事務所を建設し、その二階を緊急時対策所にあてている。(これは非常事態に原子炉内の情報を集約し外部に発信する中枢といわれる拠点施設である。)当初、事故時には防護マスクでの対応をする事となっていたが、マスクの不便をなくすため空調の工事を実施し、作業の負担を軽減している。また、空調だけでなく放射線対策も強化しており、1階の窓には鉛遮蔽をとりつけることとしている。

・四国電力伊方原発は、昨年7月4日に3号機の再稼働に向けた申請を行っている。東京電力福島第一原発事故の最大の要因は津波であることから、自社の最新の想定では中央構造線断層を原因とする地震の場合、最大7mと予想している。南海トラフ地震では最大3m程度の津波とされているが、発電施設は海抜10mの高さに設置されており、想定の範囲としては安全性は高い。また、その他管理施設や電源関係は、海抜32mの台地上に設置されている。

003・使用済み燃料プールに対してのアクセスも各号機のものに直接32mの高さに設置した施設から直接行えるようである。

・電源確保対策についてはバックアップ電源車(1,500kW)が各号機に2台設置されており、1週間以内であれば充分電源を確保できる。
さらには、浸水対策についても防水扉を設置し万全の構えをとっている。電源確保が一週間以上の場合には外部配電線から1〜3号機に供給する必要がある

・発電機の安定性についても検討されている。公設発電機は水冷式であるが、メンテナンスのいらない空冷式非常用発電機も設置する。

004・森林火災からの延焼や竜巻等(最大62 m)も想定して対策をとっている。しかし、規制委員会からは、日本最大の風速は93mなので、それより基準を下げるのであれば同様の事態が起こらない合理的な説明が必要との見解が示されたため、風速100mも想定しなければならないかも知れない。

005

・水素爆発は起こらないよう対策を講じている(格納容器内に水素処理装置や電気式燃焼装置を配置)が、万が一格納容器が壊れる事を想定して、大型ポンプ車11台を3号機専用で用意し、放水砲により水と泡を格納容器の頂上までかける方法を準備中である。

・中央制御室は1号機と2号機を1ブロックとし、3号機を1ブロックとする2ブロックの体制で行っている。福島の事故を想定したシミュレータの訓練を行う事で、練度をあげている。

・冷却水対策は、濾過水タンクに6,000トン×2を準備している。それでも足りない場合の備えとして、海水を1時間に1,400トン汲み上げできるように訓練を行っている。

・管理棟を始め全ての施設でプラント並みの免震性を目指している。

以上の事から、昨年7月以降の規制委員会との対応で、他の原子力発電所と比べても、発電所の安全対策はかなり強靭化している印象を受けた。しかしながら、高いレベルの安全対策が求められる事は理解できるものの、これまでと今後の5年間で安全対策に要する費用は、伊方1か所で1,200億円にものぼるとのことであった。かなりの高額である。伊方の安全審査は終盤と言われているが、そこまで対策を行ったからといって必ず審査が通るという確証はまだない。
今回の調査では、電気事業者の安全に対する対策がここまで進んでいるのかと率直に感じた次第である。ただ、規制委員会が求める対策は現時点で本当に必要なものなのか、妥当なのかの科学的根拠も説明するべきでないかと感じた。根拠が明確でないものを推し進めるのはいったいなぜなのか。
海外の電気事業者からも言われている、対策とコストの兼ね合いも十分大事な事であるし、最終的には消費者に負担のしわ寄せがくる事を考えれば、安全とコスト負担の両立を忘れてはならないのではないか。
いずれにしても、日本型の安全性向上に向けた国・規制庁・事業者が独立した安全文化がしっかりとできなければ、日本の原子力発電所や原子力行政に対しての国民の不安は払拭されることはないと思うので、今後の取り組みに期待したい。

世界遺産熊野古道の自然保護と観光との共存に向けた取組について

(1) 熊野古道世界遺産地域(熊野古道調査)

訪問日時 平成26年5月15日 8:00〜11:00
訪問場所 熊野古道世界遺産地域(和歌山県東東牟婁郡那智勝浦町)
説 明 者 熊野・那智ガイドの会 山東氏

熊野古道では、ガイドの山東氏から、熊野古道の歴史、自然、文化等について話を聞いた。

・世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の中心となる紀伊山地は、神話の時代から神々が鎮まる特別な地域と考えられていた。また、仏教も深い森林に覆われたこれらの山々を弥勒や阿弥陀、観音の「浄土」に見立てるとともに、仏が持つような能力を習得するための修行の場とした。

その結果、紀伊山地には、起源や内容を異にする「熊野三山」、「高野山」、「吉野・大峯」の三つの霊場とそこに至る「参詣道」が形成され、都をはじめ各地から多くの人々が訪れるところとなり、日本の宗教・文化の発展と交流に大きな影響を及ぼした。

001

・「熊野三山」、「高野山」、「吉野・大峯」は、古来、自然崇拝に根ざした神道、中国から伝来しわが国で独自の展開を見せた仏教、その両者が結びついた修験道など、多様な信仰の形態を育んだ神仏の霊場であり、熊野参詣道、高野山町石道、大峯奥駈道などの参詣道とともに、広範囲にわたって極めて良好に遺存している比類のない事例であり、それが今も連綿と民衆の中に息づいている点においても極めて貴重な資産である。

・登録資産の総面積が、約500haと広範囲にわたり、特に参詣道の総延長は300㎞超に及ぶ。また、道の大部分は幅1m前後と狭く、石畳や階段となっている部分もあるが、多くは、山中の地道である。こうした条件の中で登録資産を大切に保全し、次世代に引き継いでいくためには、多くの人々の理解と協力により、継続性のある保全活動を展開していくことが必要となる。

・かけがえのない資産がもたらす恵みを、世界の人々がいつまでも分かち合えるよう、参詣道を歩くにあたって、次のことをお願いしている。

「紀伊山地の参詣道ルール」

1.「人類の遺産」をみんなで守ります

2.いにしえからの祈りの心をたどります

3.笑顔であいさつ、心のふれあいをふかめます

4.動植物をとらず、持ち込まず、大切にします

5.計画と装備を万全に、ゆとりを持って歩きます

6.道からはずれないようにします

7.火の用心をこころがけます

8.ゴミを持ち帰り、きれいな道にします

002

私たち一行は、ガイドに案内され、早朝より実際に熊野古道を歩いて調査した。日本で唯一、神社と寺院が隣合せに存在している熊野那智大社と那智山青岸渡寺。修験道の行場になっている那智大滝。そして、千年以上も前の面影をとどめる参詣道。どれも古の人々の思いを感じさせるものであった。

(2)和歌山県世界遺産センター

訪問日時 平成26年5月15日 12:45〜13:20
訪問場所 和歌山県世界遺産センター
所 在 地 和歌山県田辺市本宮町本宮100-1
説 明 者 和歌山県世界遺産センター 辻林 センター長、奥 事務局長

和歌山県世界遺産センターでは、辻林センター長から自然保護と観光の両立の取り組みについて話を聞いた。

003

・世界遺産登録後、遺産に訪れる観光客の総数は、ほぼ横ばいで推移しているが、その内容は大きく変わった。

以前は、大型バスで訪れる団体が多く、熊野那智大社や、那智大滝など、いわゆる観光地を目的に来ている人が大半であったが、登録後は、古道を実際に歩く方々が増え、バスで訪れる人は減少した。また、外国人が以前の約10倍に増加した。

・多くの観光客が来れば、ごみが問題となる。世界遺産として保全していく上での自然保護上の問題としては、1つに観光客が廃棄するゴミ対策であった。ゴミ箱が満杯になる等の景観上の問題に対し、対策としてゴミ箱を撤去するとともに、ガイドによる啓発活動が実を結び、結果として、来訪者のゴミの持ち帰りによりゴミの減少となった。ごみ問題は3年で解決することができた。

また、遺産を守るため、禁煙としている。

・観光客を速やかに遺産に誘導するため、これまで行政毎に表記しデザインしていた案内標識を統一化し、観光振興を後押しする取り組みを行っている。

・古より「蟻の熊野詣」と形容されるほど多くの人々を受け入れてきた熊野三山への道「熊野古道」、高野山への主要な参詣道として利用された「荒野山町石道」は、地域住民など多くの人々によって今日まで受け継がれてきた。これらを人類共通の財産として保全し、次世代に引き継ぐことが求められている。

004

・観光客の増加に伴い古道そのものが傷む保全上の課題に対し、和歌山県では参詣道の維持・修復活動として、企業や団体に維持・修復活動にボランティアとして携わっていただく活動「道普請」を実施している。

その内容は、参詣道への土の補充や横断溝・側溝の清掃活動を行いながらのウォークである。作業用資材等にかかる費用は、実施者の負担としている。活動を通じて自然保護への意識づくりの効果が期待される。和歌山県では、熊野古道の観光振興を図るとともにその自然保護にも積極的に取り組み、自然と観光の共存を目指して活動している。

005

・「道普請」では、管理団体である市町村の文化担当者や世界遺産センター職員による事前レクチャーなどを行ったうえで、世界遺産の維持修復活動に携わっていただいている。修学旅行、企業・団体のCSR活動や研修の一環として楽しみながら世界遺産の保全に取り組んでもらえる事業である。

・この事業は、リピーターが多く、何年も続けているボランティアもいる。

土は、文化財と同じものを使わず、一目で修復した個所が解るようにしている。

006

・そのほかには、高齢化、過疎化が進んでいる地域にあるため、景観や自然を守るために休耕田を企業に面倒を見てもらっている。同時に景観上、空き家対策も行っている。また、現在、山を守るため、山仕事の手伝い体験事業を検討している。

・世界遺産を守るためには、継続的な地道な取り組みが必要である。自然保護と観光の両立は、どの地域でも抱える問題であり、問題の一つ一つに対して、知恵をだし、多くの方々の協力を得る努力をしていかなければ、遺産は、次の世代に引き継いでいくことは不可能である。

007

青森県の世界遺産白神山地も、まずは、自然を守る知恵をだし、県民の協力のもとともに育み、世界の人々に知ってもらい、体験してもらい、愛してもらう取り組みが必要である。

平成26年6月 第278回定例会一般質問

民主党会派の渋谷てつかずです。

通告に従いまして、一般質問をおこないます。

まず始めに、青森県のがん対策推進についてお伺いいたします。

かつて、県立中央病院で、がんの告知を受けた多くの患者さんは、まず、できることなら国立がんセンターで再診断を受けたい、そして、できることなら、そこで治療も受けたい、と思ったのではないでしょうか。

地方と中央で歴然とした医療格差があり、可能であれば、今ある最善の治療を受けたいと思うのは、自然なことです。

ましてや、命に係わる病気であれば、自らの人生を考え、悔いの残らないように行動したいと思うはずです。

私は、がん医療提供体制で、最も大切なことは、患者と患者の家族の心のケアだと思います。

がんの告知では、患者本人とその家族が、担当医師から状況と治療方法の説明を受けます。専門的知識の無い私たちは、担当医のひとこと一言を聞き漏らすまいとし、どこまで進んでいるのか、治癒可能なのか、どのような治療方法があり、どれがベストな選択なのか、そして、余命は、と多くの疑問や不安と向き合っていく事となります。

担当医が、言葉を選びながら、ゆっくりと説明していきます。自分の説明を患者と家族は、理解できているのか、本人の希望はどうなのか、家族の思いはどうなのか、ひとつひとつをゆっくり確かめながら、納得のいくまで、時間をかけ、話し合いを続けます。

青森県では、近年、毎年5000人近くの方々が、がんで亡くなっています。その全ての方々と家族が同じように苦しみ、不安と闘ってきたのではないでしょうか。

吉田管理者が就任して以来、県病は、チーム医療や緩和ケア、先進技術の導入など、これまでの体制から劇的に変わってまいりました。

勿論、国のがん対策に対する政策転換があったのは事実ですが、それだけで病院が変わるわけではありません。やはり企業や団体と同じように、経営者の理念と行動力があってこそ、病院も進化していくのではないでしょうか。

残念ながら、県民は、県病が進化し続けていることを、まだ十分に理解しておりません。

そこで、質問いたします。

(1)   本県の癌医療提供体制についてお伺いいたします。

(2)   また、癌診療の高度化に向けて、県立中央病院では、どのように取り組んできたのかお伺いいたします。

 

県病に、機器が無いため、癌のより詳細な診断ができず、他の病院に患者が行き、PET-CTによる診断を受けていると聞きました。

癌治療の拠点病院でありながら、詳細な診断のため他の病院を利用しなくてはならないという状況では、患者はどのように感じるでしょうか。

PET-CTをはじめとする先進医療機器は、単なる道具ではないと思います。

それらがあることにより

①   患者の県病に対する信頼感を高め

②   研修医や他の医師が県病に来てくれる動機づけにもなり

③   更に、青森県民の県病に対する信頼感を醸成する役割を果たしてくれるのではないでしょうか。

これらの投資は、必要不可欠ではないでしょうか。

(3)   癌診療の一層の高度化のため、県立中央病院にPET-CTを導入すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

そのうえで、次に、青森県が成すべきは、医療提供体制と車の両輪をなす癌検診受診率の向上です。

癌は、早期発見されれば完治する病気です。

昭和57年以降、本県の死因の第一位となっていながら、受診率は、未だに約30%程にとどまっております。まだまだ県民の癌に対する意識は低いままであり、この状態を変えない限り、癌による悲劇が減っていく事はありません。

 

(4)   本県の癌検診受診率の現状と、これまでの取り組みについてお伺いいたします。

(5)   県では、癌検診受診率向上のためにどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

次に、県内における県産品の販売拡大についてお伺いいたします。

本県の基軸政策でもある「攻めの農林水産業」が推進されております。三村知事のトップセールスを始め、六次産業化への取り組みが徐々に実を結んできているように思われます。

その一方で、県内での地産地消に関しては、道半ばであります。

本県の加工食品は、ほとんどが中小零細事業者によるものであり、近年、プライベートブランドに力を入れている大手スーパーでは、価格面で折り合いがつかず、結局、継続的に納入販売が難しい状況です。このままでは、県内食品加工事業者は、減り続けることになります。

実際、県内食品製造事業者は、昭和50年に、1481社あったものが、平成24年には、417社となり、3分の1以下になっております。

青森県産品のブランド化を推進するためにも、まずは、地元で愛用されなければなりません。安全、安心な商品であることを徹底し、地域で継続的な消費を促すことが必要です。同時に、県民の地産地消に対する意識改革をし、県産品の消費が拡大すれば、地域経済の支えとなり、雇用にもつながっていきます。

秋田県では、県庁職員が県外へ出張し、飲食の機会がある時、必ず店の方に、「秋田の酒はないのか」と尋ね、県産酒で乾杯するそうです。少しでも、県産品の消費を拡大するため、地道に活動を続けているものと思われます。

政治や行政が、率先して県産品を使うという気持ちが、県民に伝わり、県民運動となっていくのではないでしょうか。

良いものを作り続けていくためには、もちろん、事業者の継続的な努力は必要ですが、安定した収入が無ければ、事業の存続すら困難となります。

(1)   本県の地産地消のこれまでの取り組み成果と今後の取り組みについてお伺いいたします。

(2)   県内で製造される加工食品の県内での販売拡大に向けた取組についてお伺いいたします。

次に、発達障害者への支援について質問いたします。

近年、発達障害にかかわる報道を目にする機会が多くなりました。特に、幼少期や就学期に発見されず、大人になってから特有の行動で目立ち、発達障害と診断される人や、就職しても職場や社会に馴染めず、離職、就職を繰り返す人も増えているとの就労支援の現場からの声も聞こえてきております。

しかしながら、社会全体では、発達障害に対する理解が、未だに低く、結果的に、発達障害を抱えた方々が正しく理解されないまま、適切なケアがなされず、大人になり、社会から孤立していくケースが増えているのではないでしょうか。

青森県発達障害者支援センター「ステップ」のパンフレットにこのように記載されております。

①   落ち着きがない

②   友達とうまく遊べない

③   会話がうまくいかない

④   社会的なマナーが身に付きにくい

などでお困りではありませんか。

(多くは、本人の努力のなさや親の育てが原因で起こっているのではありません)

このような場合は、お気軽にご相談ください。

このような児童がいる場合、まず、本人は、怠け者だとか、努力が足りないとか、周りから責め続けられます。児童の親は、しつけができていないとか、育て方が悪いとか悩み続けます。

更に、クラスでも担任は、対処に苦慮し、クラスメートにも多大な影響を与えます。

その一方で、本人も親も、「障害」という、受け入れづらい、認めづらい言葉に、躊躇するばかりで、適切なケアを受ける入口にたどり着くことが非常に難しいのが現状です。

早期に発見し、適切なケアをしなければ、将来にわたり多くの人々を不幸にしていくこととなります。

文部科学省は、平成14年と24年に「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」を、全国の小中学校の担任教師を対象に行いました。

その中で、調査目的をこのように述べております。

障害者の権利に関する条約に基づく、インクルーシブ教育システムを今後、構築していくにあたり、障害のある子供の現在の状況を把握することが重要である。本調査により、通常の学級に在籍する知的発達に遅れのないものの、発達障害の可能性のある特別な教育支援を必要とする児童生徒の実態を明らかにし、今後の施策の在り方や教育の在り方の検討の基礎資料とする。

そして、その調査結果では、知的発達に遅れはないものの、学習面や行動面で著しい困難を持っていると担任教師が回答した児童生徒の割合は、平成14年で、6.3%、平成24年で、6.5%と示されております。

これを、単純に平成24年度の本県の児童総数に当てはめると、小学生で4430人、中学生で2460人と想定されます。もちろん、この数値が本県の発達障害児の実数を示しているわけではありませんが、少なくとも相当数の児童が問題を抱えている可能性があるということを示唆しております。

教育委員会も、発達障害のある児童生徒を学校全体で組織的に支援するため、校内委員会という組織を、現在では、県内全ての小中学校に設置しております。また、医療機関や市町村の福祉部局などの関係機関と連携した支援を行う、特別支援コーディネーターを指名するなど、それぞれの学校において、発達障害等のある児童生徒への理解と支援の充実が図られるようになってきております。

教育現場と福祉、医療の連携による早期発見、そして、早くからの適切なケアが必要です。

そこで質問いたします。

(1)   発達障害とはどのような障害なのか、その定義についてお伺いいたします

(2)   発達障害者に対して県は、これまでどのような取り組みを行ってきたのかお伺いいたします

(3)   発達障害児者への適切な支援には、早期に発達障害児者の実態を具体的に把握することが重要と思いますが、県の考えをお伺いいたします

次に、居住実態が把握できない児童についてお伺いいたします。

本年5月末、神奈川県で、子供とみられる白骨遺体が発見されました。

報道によると、厚木児童相談所で、2004年、3歳だった子供を、迷子として一時保護し、2008年の入学の年に、小学校に通っていないことを把握していたにもかかわらず、今年の春まで県警に相談していませんでした。

ようやく、本年、5月22日に、「中学校に入学するはずの子供が学校に来ない」と警察に通報したため、遺体で発見されたそうです。必要な、食事や水分を十分に与えず衰弱死させ、遺体も7年以上も放置されたままでした。

この事件は、社会全体で防げたのではなかったでしょうか。

政治や行政が、弱い立場の人々を守り、支えていかなくてはならないはずです。

そこで

(1)   本県の居住実態が把握できない児童の実情についてお伺いいたします。

(2)   居住実態が把握できない児童への対策として、県では、どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

次に、データセンターの立地と自治体クラウドについてお伺いいたします。

6月6日、むつ小川原開発地区に県内初の大規模データセンター建設計画が発表されました。データセンターは、サーバーが発する熱を冷却するため、大量の冷房が必要になり、コストの多くを電力料金が占めるといわれております。今回発表されたデータセンターは、青森県で温度の低い外気を取り入れて室内を冷やす「外気冷房」と冬場の雪を断熱保管し、夏場に利用する「雪氷冷房」を併用した国内初のデータセンターを目指すとのことでした。

三村県政が掲げる「弱みを強みに変える」という、良い事例の一つになるのではないでしょうか。雪が多く、寒くて風も強い青森県の気候が、新たな財産になるかもしれません。是非とも、知事が先頭に立ち、青森県を国内第3のデータセンターの基地にしていただきたいと思います。

そこで質問いたします。

(1)   データセンターの立地に向け、県はこれまでどのように取り組んできたのかお伺いいたします

(2)   今回の立地を、知事はどのように捉えているのか、また、今後、県内情報関連産業の振興に、どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

今回の、データセンター誘致に関しては、本県を、クラウドベース化する狙いもあると聞いております。クラウドベース化には、多額の初期投資が必要となりますが、長期的には、トータルコストを削減できます。

東日本大震災後には、情報のセキュリティー確保の観点からも推進すべきと考えます。県は、本県の戦略として、自治体クラウドを積極的に推進していく予定のようですが、現時点で、

(3)   県の情報システムのクラウド導入状況についてお伺いいたします。

次に県内企業の海外販路拡大についてお伺いいたします。

これまで青森県は、大連、上海、北京、そしてソウルなどを中心に、中国と韓国への県内企業による輸出拡大を後押しするため、力を注いできました。特な中国は人口が多く、これからの市場として有望であり、県産品の輸出拡大が期待されておりました。

ところが、この両国は、ひとたび日本との外交問題がおきると、反日運動や日本製品に対する不買運動がおこるなど、極めて不安定な市場となっております。ましてや、中国では、商取引の習慣が日本とは全く違い、県内企業が輸出を拡大するには、乗り越えなくてはならない高いハードルがいくつもあります。

そのような中で、今年度から、新たな取り組みとして、県では、タイ、バンコクに「東南アジアビジネスコーディネーター」を設置し、県内企業の東南アジアにおける市場開拓・販路拡大を支援することにしたと伺っております。また、6月17日には、そのコーディネーターに委嘱された多田羅氏が、三村知事を訪れ、県産品の販路拡大の提言を行っていった、と伺っております。

東南アジアという新たな視点は、これまで中国と韓国に力を入れてきた県の政策転換を意味しているのでしょうか。今後の県の戦略をお伺いいたします。

(1)   これまでの中華圏における県の取り組みと今後の展開についてお伺いいたします。

(2)   新たに東南アジアをターゲットとした狙いについてお伺いいたします

タイでは、近年、洪水による被害や、クーデターといった、政治の混乱も見受けられ、不安な要素があるように考えますが、

(3)   東南アジアにおける県内企業の販路拡大に向け、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

次に、県内の正規雇用化の促進についてお伺いいたします。

青森県の経済が低迷し、多くの若者は、働きたくても働けないという状況が長年にわたって続いております。正規社員になれないため、やむを得ず、非正規社員として働いているものの、給料が安いために、結婚に躊躇し、そのために県内の人口も減少していくといった悪循環が続いています。

政府は、6月17日、2014年版「少子化社会対策白書」を閣議決定いたしました。

白書の中の結婚支援の意識調査では、20から30代の未婚者は、男女とも、給料アップや雇用の安定を求める割合が高く、「給料を上げて安定した家計を営める」が男性47.2%、女性52.2%で、男女ともトップでした。

現在、国会で労働者派遣法の改正や労働規制の見直しが進められております。

審議中の改正案は、残業代ゼロ制度導入や全業種で無期限に派遣を継続できる内容で、企業経営者の側に立った見直しであり、非正規社員の更なる拡大や無報酬での長時間労働を助長するなど、労働者には非常に厳しい内容となっております。

若い人たちが、結婚支援で一番に求める、働く人の給料アップや雇用の安定とは逆行する、労働法制の改悪を目指している政府は、とても、子供を産み育てやすい社会を作ろうとしているとは思えません。

さらに、安倍首相は、6月16日の衆議院決算行政監視委員会に於いて、時間ではなく成果に応じて賃金を支払う新制度の導入に関して、対象者の年収を「少なくとも1千万円以上」とする要件から将来的に引き下げる可能性も示唆しました。将来、ほとんどの労働者が残業代ゼロで長時間労働を強いられる日が来るのではないかと、危機感を抱いております。

働く人とその家族のためにも、労働者の犠牲の上に企業が存続するような社会にしてはなりません。

そこで質問いたします。

(1)   本県における雇用者の総数と、そのうちの非正規雇用者の割合は、どのような傾向にあるのかお伺いいたします。また、全国と比較するとどのような特徴があるのかお伺いいたします。

(2)   国では、労働者派遣法の見直しが進められているようでありますが、見直しの内容についてお伺いいたします。

(3)   非正規雇用者の正規雇用化を図るための県の取り組み内容についてお伺いいたします。

次に、公益財団法人21あおもり産業総合支援センターの運営体制についてお伺いいたします。

(1)   平成25年9月19日付で、同センターの理事長が交代し、それまでの非常勤理事長から常勤理事長になっているが、その理由についてお伺いいたします。

(2)   同センターの理事長の給与体系についてお伺いいたします。

(3)   同センターの理事長を選定するにあたっての考え方及び具体的な選定方法についてお伺いいたします。

次に、商工三団体に対する県の補助金の状況について質問いたします。

(1)   県内の中小企業団体中央会、商工会議所、および商工会連合会に対する県の補助金の状況についてお伺いいたします。

(2)   商工三団体の指導・支援機関としての機能を高めるため、県として今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

県内の企業の99.9%は、中小企業です。平成21年の経済センサス調査では、県内に47984社あったものが、平成24年には、42669社と、3年間で5000社以上が減少しました。県内の経済状況が低迷し、企業は、苦しみ続けております。

(3)   補助金の有効活用を図るためにも、特に、指導の対象となる県内小規模事業者のニーズを県が把握し、補助事業に反映させていく必要があると考えますが、県としての考え方をお伺いいたします。

次に、県発注工事の状況についてお伺いいたします。

先般、マスコミに次のような記事が載っておりました。

県が2013年度に発注した公共工事の平均落札率(予定価格に対する落札価格の割合)は、93.66%で前年度を1.28ポイント上回り、2006年度以来、7年ぶりに93%となった事実。そして、それに対する学識者のコメントとして、「高どまっており、競争原理が働いているとは言えない」との見解が合わせて載っておりました。見出しには、「県工事落札率93.66%」識者「依然高止まり」と掲載されており、まさか、今の時代に、また、談合が行われているのか、と、一瞬、我が目を疑いました。

しかし、記事の内容を読み進めると、その理由は、人件費などに関係する一般管理費の割合の引き上げによるものだと、記されておりました。

そこで質問いたします。

(1)   平成25年度の県発注工事の落札率が上昇した原因についてお伺いいたします。

(2)   また、平成25年度の県発注工事に対する下請け工事の状況と下請け代金支払いの適正化に関する取り組みについてお伺いいたします。

最後に、八戸市櫛引地区の産業廃棄物不適正処理事案について質問いたします。

(1)   まず初めに、これまでの経緯をお伺いいたします。

八戸市が、2016年度に、中核市へ移行した後に、もし、櫛引地区の産業廃棄物を、行政代執行による全量撤去する必要が生じた場合、法律上は、八戸市が業務を担うこととなります。この問題が、結果的に先送りされ、財政負担を八戸市が強いられるのではないかと心配しております。

もちろん、県として担当の方々は、一日も早い解決を目指していることと思いますが、八戸市の危惧も理解できます。

(2)   八戸市が県に対し全量撤去を要望していますが、県はどのように対応しているのかお伺いし、檀上からの質問を終わります。

 

【再質問】

問2(2)

県内における県産品の販売拡大について再質問いたします。

県が行っている取り組みをお聞きいたしました。しかしながら、県内の大手スーパーは、もちろんのこと、県内スーパーでも、まだまだ低価格品に押され、県産品の継続的な販売が難しい状況が続いております。

適正な価格で取引されなければ事業者の存続は難しいと思われます。

県産品の販路拡大については、民間の専門家の知恵を活かすことも必要だと考えるが、県の考えをお伺いいたします。

問5(3)

データセンター誘致は、今後の青森県の新たな可能性を具体的に示した、素晴らしい事案だと思います。

三村知事の意気込みもお聞きいたしました。

しかし、その一方で、青森県を始め県内の市町村では、クラウド化が足踏み状態であり、進んでいない状況だと聞いております。

本県を、新たなデータセンターの拠点にしようといくら意気込んでも、肝心の県と市町村のクラウド化が進んでいかない状況では、掛け声倒れになってしまうのではないでしょうか。

「先ず、隗より始めよ」です。県が先頭に立って、自治体クラウド化の利点を実証し、市町村を引っ張って行かなければ、進んでいきません。

青森県が自らの背中を他の市町村に見せるべきと考えます。

強力なリーダーシップなくしては、前に進みません。県が、率先してクラウド化に取り組むことにより、本県が、データセンターの基地となるのではないでしょうか。

佐々木CIOに、お聞きいたします。

(1)   まずは、県の情報システムのクラウド化を実際にやるのかやらないのか、明確なお答えをお願いいたします。

(2)   また、県の情報システム化にかける意気込みと取り組みについてお伺いいたします。

問10

次に、県発注工事の状況について再度お伺いいたします。

落札率の上昇は、主に、労働者の社会保険未加入問題や労務単価の上昇を見込んでのものだとの説明がありましたが、県発注工事でも、多くの事業が元請け業者から1次下請け、2次下請けと発注されております。

今回の、落札率の上昇が労働者の社会保険への加入促進が目的とするならば、上昇した金額が、適切に元請けと下請け業者の労働者の社会保険加入のために使われていることを確認する必要があると思います。

(1)   建設業者に対する社会保険未加入対策の取り組みとその効果についてお伺いいたします

(2)   また、立ち入り検査の概要及び平成25年度実施の検査結果についてお伺いいたします

次に、要望いたします。

まず初めに、21あおもり産業総合支援センターの運営体制についてです。

(1)   現在の21あおもり産業総合支援センターの役員の任期は、今年6月末の評議員会までとのことですが、同センターは、本県中小企業の中核的支援機関であることから、理事長の選定にあたっては、その職務に専念できるような人材として、他と兼務するなど無いようにしていただきたい。

(2)   また、オーダーメイド型貸工場の運営など、同センターの厳しい経営状況を勘案し、常勤役員を増やすことなく、現行の役員体制を維持しながら運営にあたっていただきたい。

最後に、変わりゆく県病を目の当たりにし、改めて吉田管理者に感謝申し上げます。同時に、吉田管理者を招聘された三村知事にも感謝申し上げます。県病が、これから更なる医療提供体制の進化を遂げることにより、何百、何千という県民とその家族が救われることとなります。

三村知事にお願いいたします。県内唯一の癌治療連携拠点病院として、県民が迷いなく、県内で治療を受ける環境を是非とも作っていただきたい。PET⁻CTを始めとする、がん治療に必要な先進機器を導入するスピードを上げるためにも県の支援を、お願いいたします。

また、がん検診受診率向上のために行う広報においては、吉田管理者の経歴を紹介するなどの工夫をしていただき、県病の信頼度・認知度を向上させるよう、お願い申し上げ、再質問を終わります。

平成26年6月 第278回定例会一般質問通告内容

平成26年6月 第278回定例会一般質問を6月19日(木) (一般質問1日目)に行います。

1 がん対策の推進について
2 県内における県産品の販売拡大について
3 発達障害児者への支援について
4 居住実態が把握できない児童について
5 データセンターの立地と自治体クラウドについて
6 県内企業の海外販路拡大について
7 正規雇用化の促進について
8 公益財団法人21あおもり産業総合支援センターの運営体制について
9 商工三団体に対する県の補助金の状況について
10 県発注工事の状況について
11 八戸市櫛引地区の産業廃棄物の不適正処理事案について

■本会議は、どなたでも傍聴できます。

■会議当日、県議会受付で傍聴券の交付を受け、必要事項を記入し、入場に際して係員に提示してください。

(傍聴についての詳細についてはこちらをご覧ください)

平成26年2月 第277回定例会一般質問

民主党会派の 渋谷てつかず です。通告に従い一般質問を行います。

 

東日本大震災から4か月後、2011年7月、宮城県で民主党東北地方議員フォーラムが開催されました。当時は、フォーラムを開催できる状況ではないとの声が多数ありましたが、宮城県の県議会議員の、強い思いで、開催されることとなりました。「ぜひ、仙台で開催したい、東北復興の切実な声を、被災した東北全体の意志として政府に届けたい」との思いでした。

 

フォーラムでは、被災地の厳しい状況を目の当たりにすることとなりました。

津波で家を流された方、家族を失った方、避難所生活を続けている方など多数おり、改めて、東北全体が被災の最中(さなか)にあるということを痛感いたしました。

特に、私が参加したエネルギー分科会では、福島の原発事故が取り上げられ、実際に避難している議員も多数おり、「脱原発」の空気で会場は埋め尽くされておりました。そこでは、異を唱える声は、まったくありませんでした。

そして、それから1年後の2012年8月、民主党政権下で、「原発ゼロ社会」を目指す方向転換をし、新たなエネルギー基本計画が決定されることとなりました。私たちは、核燃サイクルの取り扱いが不透明であったため、我が県の状況を訴えるために、数名の県議会議員で上京いたしました。

青森県では、長年にわたり、県民の理解を得ながら、日本のエネルギーの自立を目指し、国策である「核燃サイクル」に協力、推進してまいりました。私が最も懸念していたのは、政府のエネルギー政策の方向転換によって青森県との信頼関係を壊し、

  1. 英仏からの返還廃棄物の搬入が拒否され、行き場を失い国際問題となる事。
  2. 各原子力発電所から搬入されている、高レベル放射線廃棄物が各発電所に返還される事。
  3. 国内に既に存在する、プルトニウム25tの使い道が無くなり宙に浮く。

といった事態にならないように、急激な方向転換が行われないように訴えるためでした。

アポも取らずに、急遽、上京しましたが、その日の午後には、当時の、古川(ふるかわ)国家戦略担当大臣、樽床民主党幹事長代行、藤枝内閣官房長官と会うことができ、翌日、午前中には、枝野経済産業大臣、細野環境大臣に面会していただき、青森県の実情を訴え、それぞれから、国と青森県の信頼関係を壊さないこと、国の将来を見据えた政策とすることを約束していただきました。

 

そして、本年2月25日、政権交代後、初の、エネルギー基本計画案が提出されました。この計画を実行に移すためには、国民の理解を得ることが必要不可欠です。オリンピック誘致のために、「福島の汚染水は、アンダーコントロール」と胸を張って、国際社会に訴えた安倍総理です。その為にも、まずは、福島の汚染水問題を解決しなくてはならないはずです。

 

昨年10月、私は、県議数名で、アメリカの原子力規制委員会(通称NRC)のウイリアム・マグウッド委員との会談のため、ワシントンDCを訪れました。デンゼル・ワシントン似のマグウッド氏は、私たち一行を気さくに迎えてくれ、率直な意見交換が行われ、とても意義深いミーティングとなりました。

001

NRCの決定は、大統領より任命され、上院で承認された、5名の委員の多数決で行われます。全米104基の商業用原子力関連活動の規制、監督を、約4000人の職員で運営する、連邦政府内の独立した規制機関であります。

マグウッド氏は、福島原発事故以降、アメリカでも規制の見直しがなされ、津波の危機を過小評価していた反省に基づき、津波をはじめとする大規模な自然災害に対応するよう指示し、さらなる対策が実行されたこと。常に最新の知見を基に規制を見直していること、を説明してくれました。

また、福島の事故に関しては、危機の際、政府の意思決定者に、必要な情報が届いていなかったことを指摘し、NRCは、原子力発電所に2名の常駐検査官を配置し、危機の際には、制御室にいて、情報を提供し続けること、更に、発電所とNRCは、常にデータでつながっていることを強調しておりました。
マグウッド氏とのミーティングは、1時間以上にわたり、特に、福島の汚染水問題に議題が及んだとき、現状に対して強い懸念を示し、次のように話していました。「汚染水は、できるだけ有害物質を除去したうえで、海へ放流すべきである。このまま大量に汚染水を貯蔵し続けるということは、問題解決を遅らせるだけであり、解決のためには、汚染水を、いつ、どのように処理するかの問題であり、いずれ、放流せざるを得ない。このまま貯め続けるのは、無理である。」と。

002

 

今も、一日400tの地下水が原子炉建屋に流入し、汚染水が増え続けております。セシウムと塩分を除去した後に、敷地内のタンクに貯蔵、その後、多核種除去装置(通称アルプス)で処理し、ストロンチウムなど、62種類の放射性物質を取り除く計画ですが、イーターの燃料とされている、トリチウムだけは残ります。そのトリチウムに関しては、昨年末、国際原子力機関(IAEA)は、福島の廃炉作業を検証し、「トリチウムは、現実的には、海洋生物の体内に蓄積されない。人体への影響は、非常に限定的」と指摘、海洋放出を含めて検討することを提言しております。

 

私たち一行は、その後、元アメリカエネルギー省副長官であり、現在、エネルギー省原子力諮問委員会 国際小委員会委員長のウイリアム・マーティン氏との意見交換の場を持つことができました。

マーティン氏は、私たちに次のように訴えておりました。

 

「世界は、日本の動向を注目しております。福島の事故後、原子力先進国の日本が、世界のエネルギー政策の行方に大きな影響を与えることとなります。そして、日本のエネルギー政策の要となるのが、核燃サイクルを支えている青森県です。今後の青森県での議論と政策が、世界のエネルギー政策に大きな影響を与えることになります。」

003

 

青森県として、明確に、この国のエネルギーの未来を、ベストミックスを示し、国民と、県民に未来図を示していくべきではないでしょうか。これまで核燃サイクルを推進してきた青森県には、その責任があるのではないでしょうか。

日本のエネルギー基本計画が間もなく決定されます。決定前に、日本のエネルギーの未来を支える青森県として、これまで核燃サイクルを推進してきた知事として、発信すべきではないでしょうか。

 

(1)   知事は、エネルギーのベストミックスを求めておりますが、改めてお伺いいたします。三村知事のベストミックスに、原子力は入っているのでしょうか。

(2)   また、東通原子力発電所や再処理施設など、県内施設が稼働できないでいる現状について、県の見解をお伺いいたします。

(3)   これまで、核燃サイクルを推進し、国のエネルギー政策に協力してきた本県の立場を伝え、さらに、そこから一歩進んで、今後のエネルギー政策の在り方を、青森県として主張すべきと考えますが、県の見解をお伺いいたします。

 

マーティン氏との会談は、ワシントンDCの「コスモスクラブ」という場所で行われました。

コスモスクラブは、1878年に設立された、科学、文学、芸術に傑出した業績のある人による社交クラブであり、メンバーには、3人の大統領、2人の副大統領、32人のノーベル賞受賞者、56人のピュリッツアー賞受賞者、45人の大統領顕彰の受賞者が含まれております。

このコスモスクラブは、マンハッタン計画の最初の話し合いが行われた場所だ、ということを教えられた時、私たちは、一様に驚き、複雑な思いに駆られました。しかし、同時に、原子力の安全、安心、そして、平和利用を改めて日本が、世界に範を示す責任があるとも感じました。人類が同じ過ちを繰り返さないためにも、私たちには、更なる努力が必要だという思いを強くいたしました。

004

 

東日本大震災以降、日本の貿易収支は、赤字が続き、2013年は、約11.5兆円の過去最大の赤字幅となりました。 火力発電のための燃料などの輸入が円安で割高になった反面、円安が追い風となるはずの輸出が製造業の海外移転が進み、円安でも輸出が増えない構造となってきているためと思われます。国家予算の半分は借金によって賄われ、貿易収支は、赤字続きといった状況を、国家として、いつまで続けることができるのでしょうか。すでに、原発停止による燃料費の増加分は、10兆円を超えております。将来世代に負担を残さない、持続可能な取り組みが早急に必要です。

 

 

2. 次に障害福祉サービス事業者への指導についてお伺いいたします。

昨年10月、青森市が、NPO法人、大一朝日・サポートの就労継続支援事業者等の指定取り消し処分を行いました。

一度事業者指定を受けた法人が指定取り消しされるというのは、異例の事態ではないかと思われます。

 

本来、福祉事業は、利用者の立場に立ち、利用者が社会の一員として自立し、共に社会のために貢献できるよう支え合うことが第一の目的です。ところが、過度に政治に関与する事業者や、ビジネス目的だけで参入している事業者がいるのも現実です。

それに対して、行政は、捜査権もなく、一度、事業指定してしまえば、指導の域を超えることができず、不正を見抜くのは厳しい状況です

今回の事案を通して、福祉行政の在り方をどのように変えていくことができるのかが問われているのではないでしょうか。

 

今後の防止策を講じるためにも、詳細な検証と、それに基づいた具体的な対策が必要です。不正があれば、結局、利用者にしわ寄せが行きます。また、利用者のために、誠心誠意尽くしている事業者程、経営が苦しいといった「正直者が馬鹿を見る」そのような社会をつくってはなりません。以上の趣旨で質問いたします。

 

(1)   青森市のNPO法人 大一朝日・サポートが昨年10月に青森市より就労継続支援事業者等の指定取り消し処分を受けましたが、事業者指定から指定取り消しまでの経緯についてお伺いいたします。

(2)   青森市においてNPO法人 大一朝日・サポートが運営する障害福祉サービス事業の指定取り消し処分を行った理由についてお伺いいたします。

(3)   県では、これまで障害福祉サービス事業者の指定取り消しを行った事例はあるのかお伺いいたします。

(4)   NPO法人 大一朝日・サポートの運営する障害福祉サービス事業者が青森市から指定取り消し処分を受けたことについて、県はどのように考えるのかお伺いいたします。

(5)   また、県では、障害福祉サービス事業者への指導をどのように行っているのかお伺いいたします。

(6)   今回のような障害福祉サービス事業者における不正請求等再発防止のために、今後、県は、どのように対応していくのかお伺いいたします。

 

3. 次に、難病対策についてお伺いいたします。

現在も多くの方々が、経済的に重い負担を強いられながら、日々、難病と戦い続け、国の支援を今か今か、と待ち続けております。対策が間に合わず、これまで幾多の方々が亡くなっていったことでしょうか。

日本国憲法、第25条に、全て国民は、健康で、文化的な、最低限度の生活を営む権利を有する、と明確にうたわれております。政治も行政も、弱い立場の方々、苦しんでいる方々の立場にたって、進められていかなくてはならないのではないでしょうか。

 

今般、厚生科学審議会、疾病対策部会の難病対策委員会から、難病対策の改革に向けた取り組みが提示されました。

そこで、

 

(1)   難病対策の充実を図るため、国としてどのような対策を行っているのかお伺いいたします。

(2)   また、国が進める新たな難病対策に基づき、県として、どのように医療体制を構築していくのかお伺いいたします。

 

 

4. 次に世界遺産、白神山地の活用についてお伺いいたします。

昨年8月、県議会民主党会派で、屋久島の縄文杉までの整備と利用状況を調査に行って参りました。屋久島は、白神山地と同時に世界遺産に登録され、20周年を迎えております。環境保護と観光面での活用との両立が課題であります。世界自然遺産に同時期に登録されていながら、屋久島は、遺産登録後、観光客が2倍以上に激増し、環境破壊の問題を抱え、青森県は、観光客が思うように伸びず、どのように活用できるかが課題となっております。

縄文杉までは、登山口から、まず、8kmの緩やかなトロッコ道を上り、その後急峻な4kmの登山道を上る一本道です。往復24 kmを約10時間以上かけて歩きます。このため、縄文杉を訪れる観光客は、必ず島に2泊以上しなければなりません。本来であれば、ガイドが必要ですが、近年、利用率は約40%。現在、約200名いるガイドの質を高めるため、ガイド認定制度を検討中です。

縄文杉の登山者は、この10年で約3倍に増え、登山道の環境破壊への対応と増え続けるし尿処理が深刻な課題となっております。

 

 

 

実際に縄文杉まで歩いてみて驚いたことは、若い女性が圧倒的に多いということです。私たちのように、比較的年配の男性だけのグループは、ほとんどいませんでした。圧倒的な存在感を持つ縄文杉と10時間以上のトレッキングは、訪れた人々にロマンと満足感を与えてくれるものでした。

白神山地にも、独自の物語とロマンが必要です。数多くの女性が訪れたくなるようなストーリーが必要ではないでしょうか。

 

(1)   白神山地を象徴し、ストーリーを持ったコースを作って、集中的に人を呼ぶべきと思いますが、県の考えをお伺いいたします。

 

 

 

5. 次に青森港のクルーズ客船寄港についてお伺いいたします。

ここ数年、青森港に寄港する大型客船の数が増え続けております。県当局と青森市の連携によるおおきな成果ではないでしょうか。

更に、今回、県の調査で、11万tを超える大型客船が入港可能であるという結果が示され、今後の利活用が期待されるところであります。

 

(1)   まずは、青森港へ11万tを超える大型客船が入港可能となりましたが、県の認識をお伺いいたします。

(2)   また、ポートセールスの実績と今後の取り組みについてお伺いいたします。

(3)   今後、寄港する大型客船を増やすためにはクルーズ客船の乗客ニーズの把握と満足度向上に向けた取り組みが必要不可欠です。どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

 

6. 続きまして、国際航路の維持、安定についてです。

本県唯一の国際定期航路である青森―ソウル線は、常に、韓国との政治問題に影響を受け、近年では、日韓関係が悪化しているため、青森から韓国への利用客が激減していると伺っております。

 

(1)   青森―ソウル線の現況についてお伺いいたします。

(2)   また、青森―ソウル線の意義と路線の維持・安定に向けた県の取り組みについてお伺いいたします。

 

 

7. 次にオーストラリアからの誘客についてお伺いいたします。

(1)まず始めに、自治体国際化協会シドニー事務所に県職員を派遣した経緯及び目的についてお伺いいします。

 

北海道ニセコでは、オーストラリアから多くのスキー客が訪れていると聞いております。口コミの力だとも聞いております。

青森県には、山岳スキーのできる八甲田山があり、強力な武器となるのではないでしょうか。

 

(2)オーストラリア人観光客の本県への入込状況及び今後の誘客の対応についてお伺いいたします。

 

8. 次に在伯青森県人会に対する支援についてお伺いいたします。

 

まず、初めに、在伯青森県人会創立60周年記念事業趣意書を、ご紹介させていただきます。

趣意書を読む

 

 

本年8月24日、ブラジル サンパウロにおいて、在伯青森県人会創立60周年記念式典が挙行され、本県からも参加するとうかがっております。

青森県人会館は、サンパウロの日本人街の近くにあり、近年、3階に宿泊施設が増築され、2段ベッドが2つ置いてある4人部屋が、5部屋あり、現在18人の学生が共同生活を送っておりました。

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日本人街の中心に、日本の食品を販売する店があり、店内を案内されると、その一角に、青森市に本社を置く、「かねさ味噌」の商品が並べられておりました。

塩分2分の1味噌汁や顆粒味噌汁といった商品で、現在の為替で換算しますと、それぞれ約500円と、800円でした。

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青森県は、6次産業化を推進し、付加価値を高めた加工品の販売に力を入れております。サンパウロは、これから、サッカーのワールドカップとオリンピックの開催が決まっており、経済発展も期待されております。青森県人会には、300人近い会員がおり、長い交流の歴史から、青森県で学んだ多くの研修生もおります。文化交流だけではなく、本県産品も積極的に売り込んでいくべきではないでしょうか。

在伯県人会に対する県の支援についてお伺いいたします。

9. 次に災害時における情報力の強化についてお伺いいたします。

私たちは、東日本大震災において、大規模な停電や物資の不足を経験し、いかに私たちの生活が脆弱なものであるかを知ることとなりました。

そして、その中でも、情報が大災害時に、いかに重要であるかも思い知らされました。誰もが家族や友人の安否を心配し、確認しようとしてもなかなか連絡が取れず、不安な気持ちで過ごしていた時のことを思い出します。

 

災害時に、県民の情報力を強化するためにも、県の新たな取り組みが必要です。

(1)   災害等の緊急時における情報の伝達や入手のため、情報通信技術の活用が重要と考えますが、県の取り組みについてお伺いいたします。

(2)   特に、高齢者や障害者が、情報力を高めるための対策が必要と考えますが、県の取り組みをお伺いいたします。

 

10. 次に陸奥湾ホタテガイ養殖残さの対策についてお伺いいたします。

 

養殖ホタテの網に付着した生物を海に不法投棄したとして、廃棄物処理法違反の疑いで多くの漁業者が書類送検されました。

我が国の法律は、同じ残さを、港に戻る前に海に戻すのは、違反にはならないが、陸に一度揚げ、漁港内の海に捨てた場合は、不法投棄として違反となる、不可解なものとなっております。実際、多くの漁業関係者も、戸惑っているところです。

漁業者は、現実問題として、今年も間もなく、残さ問題に直面します。仮置き場設置など、県の具体的な支援を求めております。

ホタテは、青森県の水産業でも、重要な割合を占めており、県としてもこの問題に抜本的対策を講じる必要があるのではないでしょうか。

(1)   問題となっている陸奥湾のホタテガイ養殖残さの現状についてお伺いいたします。

(2)   ホタテガイ養殖残さ対策について、県はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

 

11. 最後に、若者の就職支援についてお伺いいたします。

(1)ジョブカフェあおもりでは、県事業以外にも国の受託事業により、若者の就職支援を行っておりますが、その内容と実績についてお伺いいたします。

(2)国が実施しているニートなどの若者のための就職支援の内容と実績についてお伺いいたします。

以上、壇上からの質問を終わります。

 

【再 質 問】

 

  1. 今回、青森市より指定し取り消し処分を受けた障害福祉サービス事業者については、指定を受けた初年度から不正請求を行っていたことが判明しました。一度不正が行われれば、その後も継続して行われることとなります。福祉事業には、国民の税金と善意が使われております。これを不正に請求することがあってはならないはずです。事業を開始し、福祉に携わった時から、利用者のことを第一に考えていくべきであり、事業者を指定した行政が導いていく責任があるのではないでしょうか。事業指定を受けた、最初が肝心です。指定を受けた初年度に、監査を含めた実地指導を行うべきと考えます。是非、改善をお願いいたします。県の考えをお伺いいたします。

 

 

  1. 慢性疲労症候群の治療については、専門医があまりいないため、患者さんは、県外の専門医を訪ね治療を重ねているため、経済的にも負担が重くなっております。秋田県には、慢性疲労症候群の専門医である三浦医師がおられ、県外に出張して治療してくださる意向だと伺っております。ぜひ、青森県で、コンタクトを取り、ひと月か二月に一回でも、県病に来ていただき、県内の慢性疲労症候群の患者さんを診療してもらえるような体制をぜひ、整備していただきたいと思います。平成24年9月定例会で、発議第4号 慢性疲労症候群患者の支援を求める意見書が満場一致で採択されました。県は、このことを重く受け止め患者さんの医療・福祉の向上に努めていただきたいと思います。出来ることから少しでも前進させてください。患者さんたちの切実な願いです。

 

 

  1. 次に、青森港のクルーズ客船寄港について再質問いたします。青森港は、東北で唯一、大型客船が寄港できるようにきれいに整備された港だと聞いております。しかし、今後、ポートセールスを通じて、各地で港の整備が始まり、競争が激化した時、重要なのは、クルーズ客が青森への寄港に満足したかどうかです。常に、訪れた方々の求めている観光や食、買い物や体験といったニーズを正確に把握し、満足させることによって、次のクルーズ客船がやってくるのではないでしょうか。その為に、今回、クルーズ客を対象とした事業者を対象に、何が不満で、何が良かったのか、お客さんの率直な声を集めるアンケート調査実施を義務付けるべきだと思います。県のクルーズ船誘客モデル事業における実績報告を通して、クルーズ船の乗客のニーズ把握をすべきと考えるが県の考えを伺います。

 

 

  1. 在伯青森県人会の方々は、自分たちのアイデンティティーを日本、そして青森県に感じております。物理的には、地球の裏側でも、寄せる思いは強く、絆を感じております。今後の経済交流のきっかけ作りのためにも、三村知事、ぜひ、今回の60周年記念式典に参加してはいかがでしょうか。そして、リンゴのハッピを着て、トップセールスマンとしてブラジルの方々に、青森リンゴを届けてはいただけないでしょうか。玉城県人会会長を始め、多くの県人会のメンバーがお待ちしております。ぜひ、お考えください。

 

 

  1. 最後に、陸奥湾ホタテガイ養殖残さの対策について再質問いたします。貝殻、  ウロなのホタテガイ残さの有効利用が重要だと考えます。ぜひ、市町村と連携し、少しでも漁業者の負担、市町村の負担を減らしていただきたい。有効利用の取り組みとして具体的な事例はあるのかお伺いいたします。漁業者の負担を少しでも減らすため、県は、一緒にこの問題の解決策を実行してくださるようお願い申し上げ、質問を終わります。

平成26年2月 第277回定例会一般質問通告内容

平成26年2月 第277回定例会一般質問を3月7日(金) (一般質問5日目)に行います。

1 エネルギー政策に係る県の見解について
2 障害福祉サービス事業者への指導について
3 難病対策について
4 白神山地の活用について
5 青森港のクルーズ客船寄港について
6 国際航空路線の維持・安定について
7 オーストラリアからの誘客について
8 在伯県人会に対する支援について
9 災害時における情報力の強化について
10 陸奥湾ホタテガイ養殖残さの対策について
11 若年者の就職支援について

■本会議は、どなたでも傍聴できます。

■会議当日、県議会受付で傍聴券の交付を受け、必要事項を記入し、入場に際して係員に提示してください。

(傍聴についての詳細についてはこちらをご覧ください)

屋久島世界遺産調査

と   き  平成25年8月26日

と こ ろ  屋久島町役場宮之浦支所

調査事項  世界遺産「屋久島」の自然保護及び観光振興について

説 明 者 屋久島町環境政策化自然環境係長 木原 幸治

自然環境係  岩川 卓誉

○    屋久島町の概要

鹿児島市より南方130kmの洋上に位置し、中心部に1936mの宮之浦岳を擁する円錐状の島で海岸線の亜熱帯気候から頂上部の冷温帯気候までの植物の垂直分布がみられ、そのため日本の植物種の7割以上の1900種以上が生育し固有種約40種、南限とする植物140種、北限とする植物約20種と「東洋のガラパゴス」といわれている。また蘚苔についても日本に産する約1600種のうち約600種が生育している。

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面積は属島である口永良部島を含めて約541平方キロ。島の9割が森林・原野で、しかも島の8割が国有林で占められる。

人口は平成22年国勢調査では13,589人、6,248世帯で、平成25年7月現在では13,583人、6,883世帯と過去の減少からほぼ横ばいの状態に好転してきており、他の離島では見られない傾向にあります。

要因としては世界自然遺産登録以来の観光ブームによる若者を中心としたIターン者の増加がみられる。また、高齢化率については28.79%で40%を超える集落も4集落あり、限界集落への進行も危ぶまれている。

産業構造等については22年国勢調査では第1次産業が13.2%、第2次産業14.9%、第3次産業71.6%となっており農業では耕地が乏しいため、山腹の斜面を利用したポンカン、タンカン、パッションフルーツなどの果樹類の他、お茶の栽培が盛んになっている。林業はスギ材価格の低迷と需要不足のため産業としてはなりたっていない。水産業は鯖やトビウオ漁が行われているが、いずれにしても第一次産業は後継者不足や流通対策、サル・シカによる食害など大変厳しい状況にある。

第2次産業では炭化珪素の化学工場、薬剤工場、焼酎工場がある。地場産業としては零細な家族経営であるが屋久杉加工場、鯖節製造工場がある。

第3次産業が近年大きなウェートを占めているがこれは宿泊施設や飲食店などの観光関連産業の進展によるもののほか、大型店の進出も要因となっている。

○    自然景観指定、100選等

霧島・屋久国立公園指定(昭和39年)

世界自然遺産登録(平成5年)

永田浜ラムサール条約登録(平成5年)

口永良部島全域が霧島屋久国立公園(平成19年)

屋久島国立公園指定(平成24年)

「屋久島」が日本の自然100選(昭和58年)

「宮之浦川流水」が全国名水100選(昭和59年)

「縄文杉」が新・日本の銘木00選(平成元年)

「大川の滝」が日本の滝100選(平成2年)

「千頭川の渓流とトロッコ」日本の音風景100選(平成8年)

「紀元杉」が森の巨人たち100選(平成12年)

以上のとおり貴重な環境を守るための取組は歴史が長く、現在までの地域の取組をあらわしていると思われる。

しかしながら世界遺産地域の保護制度において各省庁の法律が複雑に絡んでおり実態に即した運用を難しくしている。

環境省所管では、自然環境保全法-屋久島原生自然環境保全地域(花山地区12.19平方キロ)、自然公園法-屋久島国立公園(島の42%)

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林野庁所管では、屋久島森林生態系保護地域-国有林野管理経営規定(島の30%)

文部科学省所管では、文化財保護法-特別天然記念物屋久島スギ原始林(43.92平方キロ)

鹿児島県指定として、県指定鳥獣保護区-鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律

遺産地域において5つの県指定鳥獣保護区と重複している。

農林水産省・鹿児島県指定では、保安林が森林法によって水源涵養、土砂流出防備、保健保安林に指定されている。

そのため以下の屋久島世界遺産の保全管理に関わる機関・団体が、それぞれの役割と助言・連携・協力することを目的として運用されている。

遺産地域管理機関 <連絡調整>

環境省九州地方環境事務所

林野庁九州森林管理局

鹿児島県・鹿児島県教育委員会

屋久島町

科学的な観点からの検討

屋久島世界遺産地域科学委員会

利用の適正化

屋久島山岳部利用対策協議会

屋久島地区エコツーリズム推進協議会

観光客の入込客数は平成5年と比較して、15年間で約2倍に増加している。世界自然遺産登録の効果が表れており年次の増減はあるもののリーマンショックや東日本大震災など景気の変動局面以降は再び増加している。

特に大きな要因としては交通インフラの拡充の影響が顕著にみられ、平成16年には高速船の就航し2社 8船 7便/日、航空路の状況は種子島―鹿児島を初め平成22年に種子島―大阪1日1便、平成元年に屋久島―鹿児島1日5便、平成21年に屋久島―大阪1日1便、平成23年に屋久島―福岡1日1便という状況になっている。

島の基幹産業として現在は観光も重要な位置を占めている。

宿泊施設の状況は例えば種子島1市2町で651件なのに対して屋久島は1町で2187件と際立って多い状況にある。

また、現在ガイドは約200名あり大きな収入源となる一方、エコツアーの質の向上に貢献している。しかしながら近年ではお金をかけない若者が増え、登山者の約4割余りはガイド無しで行うようになり、トイレの維持費の捻出や管理、歩道の整備等環境維持の取組にも問題が顕在化してきている。そのため、平成16年度からガイドの行政認証・登録を進めているが認証制度はガイドを中心とした組織で検討中である。

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また、縄文杉登山については10年で登山者が3倍に増えるなど、山岳部の自然環境を保全するため、山岳部のトイレのし尿の人力搬出や携帯トイレの利用促進、一部登山道の補修などの取組を進めている。屋久島山岳部保全事業は基金として一口500円を入山者から募金を募っている。平成24年度の収入金額は19,832千円で、支出は22,794千円で内訳はし尿運搬経費が86%を占めている。

トイレの問題として経費の他にも改修もまた大きな問題である。すでに設置してあるトイレはかなり古いものであるが、国も県も改修は認めていない。携帯トイレへの以降は利用者の実態と合わず頭を悩ませている実情にある。

いずれにしても今後の屋久島世界自然遺産を環境の保全と安全を維持しつつ観光客の利便を向上させるための議論を国も県もしっかりして行かなければならない。前段で紹介しているが世界自然遺産と自然公園法を都合のいいように規制すために使いまわす国の対応の仕方には法の遵守と現実を超えるためのもう一段上の国と県と地元3者の努力を求める必要があると実感した。

本県も世界自然遺産白神山地を有しどうようの課題が今後出てくるものと思われる。
平成25年8月27日

屋久島縄文杉までの登山と歩道整備状況の現地調査 天候は晴れ

1ヶ月に35日雨といわれる屋久島で終日快晴は珍しいとの事。ガイドに先導され歩道状況や歴史、植物、蘚苔や水質などの説明を受けながら往復10時間の行程に挑む。

 

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